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演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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STスポット提携/マームとジプシー5月公演『しゃぼんのころ』 総括

お陰様で、マームとジプシー『しゃぼんのころ』は
5/31(月)をもちまして無事に全日程を終了致しました。

ご来場頂いた方々及び関係各位の皆様方には心よりの御礼申し上げます。



2年前、8年連続200本安打を達成した際のイチロー選手が、

「続けるということが、毎回違う苦しさを生む」

ということを言っていたのだけれども、
まさにその通りだと感じた公演だったなと思う。


今回の創作は本当に苦しかった。
もう、自分は限界なんじゃないかと何度も思わされた。

そしてそれは本番が始まってからも同様で、
驚くほど多くの人達が賞賛の言葉をかけてくれたのだが、
そんな周りの声とは裏腹に、
どこまでいっても自分達の拙さばかりが目に付いて、
毎回自らの出来に対し悔しさしか残らなかった。


千秋楽、日比野という人間が自分の中でとても無理なく繋がった感覚があって、
自らの役をそれまでよりももう一段上の段階にまで
引き上げることができた実感があったのだが、
そうなった瞬間には新たな自分のアラの部分が見えてきていて、
結局のところ「やりきった!」などという晴れやかな気分にもなることなく
これからの自らの課題と向き合うことにしか意識が向かわなかった。

たしかに千秋楽はこれまでの中ではダントツによかったとは思う。

が、それはこれまでの自分と比べてのことでしかなくて、
自分が思い描く理想からすれば全く以て程遠い状態であった。


きっと、続けることの苦しさってこういうことなんだろうと思う。
どこまでいっても途中経過。

もし晴れやかに「やりきった!」と思えたのならば、
たぶんもうそれを続ける必要なんかないんじゃないか。

や、これって偏っているのかもだけど、
でも、俺にとってはそういう向き合い方しかできないんだと思う。


だからこそ、もっともっと向上してゆきたい。

今回、明らかに体力不足であることを露呈してしまった。
楽日に近付くにつれて、身体の切れが落ちてきてしまってた。

千秋楽などはたかととのシーン直後に裏で吐きかけたし、
後半握力がなくなっていたからふうこを止める時にも
腕で締め上げる感じでしか止めることができなかったし、、、


声に関しても、あの程度の絶叫で声帯を痛めてしまうようなことは以前はなかった。

たぶん感情の高まりに身体がついてゆけてなかったから、
形だけの雰囲気での絶叫芝居になって声帯の負担を大きくしてしまったんだと思う。

身体は正直なんだから、サボればサボった分だけ衰えてくる。
このままじゃ10年後も続けていられるとはとても思えない。


だから、身体ももっと鍛えたい。
発声についてももう一度一から見直してゆきたい。

また、本も沢山読み漁りたいし、
芝居も映画もスポーツも音楽も絵も、
とにかく色んなものに触れてゆきたい。

そして、「台詞を入れる」ことや「空間に馴染む」ことなど、
俳優としてこれまで「当たり前」にしていたことについても見つめ直してゆきたい。



ただ、ここまで書いておいてあれなのだけれども、
今回のマームでは3名の男性陣が皆好評であったことが物凄く嬉しかった。

これまでのマームでは、どうしても女性が強く見られてきたために
男性があまり目立っていなかったのだが、
今回はその点については結果を出すことができて非常によかった。



まあ、今後も歩みを止めることなく精進してゆきます。

繰り返しになりますが、、、本当にありがとうございました!


横山 真
by yukinone_makoto | 2010-06-02 22:25 | 出演レポ