演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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2/16(火)19:00~ 『たゆたう、もえる』 千秋楽

こまばアゴラ劇場 冬のサミット2009参加作品/
マームとジプシー2月公演『たゆたう、もえる』千秋楽(2/16(火)19:00~) @こまばアゴラ劇場

6ステ目。千秋楽。

マチネの反省が生きたのか、この回は本番前から非常によい緊張感が楽屋内にも漂っていたように感じた。
千秋楽にありがちな浮かれた雰囲気も一切見られず、一人ひとりが次の本番に向けて真摯に気持ちを高めてゆけているように見えた。
たぶん、稽古時にも藤田君が空気を引き締めてくれたのも大きかったと思う。

そんな中迎えた大楽であったが、この回は序盤(特に1場)はその分気負ったのか若干固さが見られたようにも感じたが、役者陣もマチネとは裏腹に非常に強い気持ちを保ちつつ一つひとつの行動へと臨んでいったため、中盤辺りからは序盤で空回っていたものも次第に噛み合い出してきて、最終的な高まり方は全ステージ通じて最もよい高まり方であったように思えた。
また、舞台上がそういう感じだったためなのかそれとも元々がそういう性質の人たちだったのかは分からないが、お客さんの方の集中力も非常に高く、舞台上の高まり方に感応してお互いに高まり合えていたように感じた。

自分の話をすると、この回の2場のそうたは、自分の実感としてはこれまでの中で間違いなく最高の出来であったと思う。
何も背負うことなく、ただその場に存在することができていて、今回の創作時に目指していた理想の感覚に限りなく近い状態でいられたのだ。
最後の最後でこのような状態に到れたのは非常に嬉しかったのだが、自分が2場の出番を終えて退場した直後に脳裏によぎった思いは「なんでこれを初日からできなかったんだ」ということであった(後で共演者の人に言われたのだが、この時の自分は相当苛立っているように見えたらしい)。

前作の『コドモも~』の時には、千秋楽の出来が物凄くよかったために当日朝まで役者は最後だと思っていた自分自身の気持ちが首の皮一枚で繋がった。
しかし今作では、もうそんなところで云々するようなレベルではないところに目線を置いていた(もちろん役者を続けるか否かということでは未だに悩むが)こともあって、このように出来がよければよいでもう次の課題が自然と生まれてくるような発想へ自分の思考回路が切り替わっていたのかもしれない。

乗り越えるべきハードルが、このように失敗からの反省という形ではなく、次のステップという前向きな形で見出すことができたのは、自分にとって本当に価値のあることであったと思う。


千秋楽を終えた時、今回の創作に関わり始める前よりも演劇のことを好きになれていた。

これだけで、もう、この創作に関われてよかったと心から思う。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-02-21 20:15 | 出演レポ