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演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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11/2(月)『コドモもももも、森んなか』本番3日前

11/2(月)9:00~22:00 @青少年学習センター・和室

【外界への印象】
《天候》
●曇り時々雨
・風が雨の匂い
・空気は冷たいが、多少湿度があるせいか少し動くと暖かくなってくる
《空間》
●和室
・明かりの黄色さがやけに目立つ
・床の軋みが気になる

【身体状況】
・肩周りの張りが痛みに繋がってきた
・腰に強い張り
・今日もサイドに対しての視野が狭い
・呼吸が定まりきれていないためか、もうひとつ気持ちが高まりきらない

【今日のテーマ】
◆体内時計を早めてみる

【レポート】
なんとなく、こうへいの目指すべき方向性が見えてきた気がする。
しかし、現時点での役のあり方ではまだまだ不十分であることには変わりはなく、及第点ではあるけれどもそこ止まり、というのが自らの役に対して感じている正直な感想である。

たしかにこうへいという役の、「真っ直ぐ過ぎるが故の滑稽さ」という特徴については成立してきている。
が、それ以上でも以下でもないのだ。

今日の通し稽古後に藤田君から受けたダメ出しも、「こうへいの純粋さ、という視点から見れば今日のは悪くないし、その通りなんだけれども、できればそこにマニアックさが加わって欲しい」というものであった。
この意見については自分としてもものすごく納得である。

今のこうへいは、分かり易過ぎる。
だから、滑稽ではあるけれども人としての深み・面白みはないのだ。

たとえどんなに笑える存在であっても、その役に人間的魅力を感じないのであれば、そもそも人物を描くことに重きを置いているマームの作品の登場人物としては不十分である。

作品にとって不十分な存在であるままの役を舞台に乗せてしまうことなど絶対にあってはならないことであるし、そんなことになるつもりも自分にはない。

明日が小屋入りとはいえ、まだ本番までは2日間も残っている。
その限られた時間の中で、なんとしても突破口を見出し、こうへいから引き出し得る魅力は悉く引き出してゆけるようにしたいと思う。


さて、作品全体としても、4日前に通した時に2時間を軽く越えてしまっていたタイムを、この3日間を費やして行った大胆な再構築の甲斐もあり、今日は1時間40分以内に納めることができた。
また、だいぶ作品自体がスリム化されたため、お客さんからしてもずいぶん見え方が親切になったのではないかと思う。

そして、今日の通しを経て藤田君は更にもう一手、作品に手を加える決断もした。
おそらく、この変更も、作品をもう一段上のステップに上げてくれるものになるのではないかと思う。


ひたすら作品のクオリティの向上を目指し、幕が開けてから後も作品の破壊と再構築を繰り返してゆくのがマームのスタイルである。
その根底には、舞台作品において「完成」というものなどないのだ、という強い信念が窺える。

自分もそこには響き合うものを感じるし、だからこそ、どこまでも喰らい付いてゆくつもりだ。


明日からいよいよSTスポットへと場所を本格的に移し、本番へと備えることとなる。
これまでの稽古と仲間を信じつつ、最後の最後まで攻め続けてゆきたい。


【小屋入りに向けて】
◆宿題…こうへいととことん向き合ってみる
◆テーマ…役のあらゆる前提を手放して、何もないところから目の前の状況と対峙してみる


横山 真
by yukinone_makoto | 2009-11-03 00:45 | 稽古場日記