演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
9/3(月)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 5日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

5ステージ目。
そしてちょうど折り返し。

今回は、作品全体で見ればかなり疾走感もあって、悪くはない出来であったと思う。
が、横山個人の話で言えば、これまでの5ステージの中で最も浮き足立っていた回であったと思う。

稽古の時を含めても本番2日前の1度しか、つまりは本番入ってからは一度もミスをすることのなかった小節の長台詞の途中で完全に台詞が飛んでしまった瞬間(但し飛んだのはコンマ何秒~1秒ちょい程度の瞬間で、すぐさまリカバーし立て直したので台詞を完全に入れている人くらいにしか気付かれないレベルの躓きではあったのだが)が、その浮き足立った自分を最も象徴するシーンであった。

ただ、自分の俳優としての傾向として一旦ミスをするとそれ以降の集中力が劇的に向上する変な特徴があって、この回でもその例に漏れず、その長台詞以降のシーンは逆にかなり落ち着いた芝居が行えていたと思う。

しかし、ミスはミスだ。
どんなに立て直しがうまかろうがそれ以降の芝居が逆によくなろうが、そのミスをしたという事実は変えられない訳で、そこのところの認識は、厳しくあるべきだと思う。

逆境に対応する力もたしかに大切なことではあるが、繊細に、丁寧に、一つひとつの積み重ねを大事にして積み上げてゆかねば至れない高みというものもあるはず。
そしてそれらはどっちがいいとか、そういった質のものなのでは決してなくて、そのどちらにも偏ってはいけないものなのだと思う。


次からは一日休演日を挟んでの後半戦。
この一日の休みを、どう次のステージへと繋げてゆけるのか。
そこら辺をしっかりと考えてみて、この一日の休みがあったからこそ至れた、というような作品へ更新できるような準備を行って過ごせるようにしたい。


横山 真
[PR]
# by yukinone_makoto | 2012-09-05 14:41 | 出演レポ
9/2(日)16:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 4日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

4ステージ目。
初の雨天に見舞われた。

今回の公演で、自分は初めて野外を含んだ空間で芝居をしている訳だが、今日のこの雨によって、その醍醐味というか魅力をつくづく実感させられたなと思っている。
自然というものは人間の手によって御せるものではなく、予測だって難しい訳で、だからこそ、その御することのできない自然とどう付き合ってゆくべきなのか、それをその瞬間瞬間で判断し、実行してゆかねばならない。
しかしその判断も、有無を言わさず理不尽に裏切られることが日常茶飯事でもあったりして、少しでも過去に心がとらわれてしまったならば、自然の気まぐれに振り回されてしまう結果に終わってしまったりする。

今日もそうであった。
途中、雨が酷くなってきたので、あるシーンでこの酷くなってきた雨を利用してやろうと色気を出した瞬間に、雨が小康状態に落ち着いてきてしまったため、その思惑は惜しくも空振りに終わってしまったのだ。

やはり自然とは、その瞬間瞬間の状況に応えることで向き合うことが大事なのかもなと思う。
変に先読みしたいやらしい考えを持ち込んだところでその通りに天候などが推移してくれるとも限らない訳で、そんな考えで臨んでしまっては本当の意味での「いま、ここ」に殉じることなどできる訳がないのだ。


というか、それはむしろ自然に対してだけのことだろうか、とも思った。
もしかすると、それはこの世の中の何事に対しても当てはまることなのではないか、と。

演劇だってそうだし、他者だってそうなんじゃないのか。
というか、自分のことだって100%コントロールできている訳ではないのだし、知っていることだって僅かであったりするはずだ。

コントロールすることができると思い込んでしまった時が、いやむしろ、コントロールしようとしてしまった瞬間から、停滞というものは始まってしまうのかもしれない。
だからこそ、ひたすらに“今”の繰り返しで臨んでゆくことが、大切なことなのかもしれない。


まさかこんな形で、学びを得られるとは思ってもみなかった。
自然も演劇も、とても面白いものだなと、つくづく思い知らされた。

それだけに、今後もどんどん挑んでどんどん掘り下げてゆけたらなと、思っている。


横山 真
[PR]
# by yukinone_makoto | 2012-09-03 01:08 | 出演レポ
9/1(土)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 3日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

3ステージ目。
昨日よりも更に落ち着いた感が出てきていて、非常にいい具合にどっしりとした厚みのある芝居が繰り広げられるようになってきた実感がある。

ただ、これ以上落ち着いてしまうと、逆に今の形に居付いてしまって大きなミスは避けられるかもしれないけれども、それによって躍動感を犠牲にしてしまうような状態に陥ってしまうような気がしている。
やはりある程度の不安定さは必要で、舞台上の人間が、常に揺さぶりをかけられているような状態ではあるべきなのだと思う。
そして今回の状態は、落ち着きと不安定さがぎりぎり絶妙なバランスの上で成り立っていたとてもいい状態であったように感じられた。

この状態を維持できればベストなのだろうけれども、まあ、そんなことはまず不可能なことで、たぶん維持しようとすればするほど様々な部分で停滞が生まれてしまい、あちこち凝り固まった小さい作品になっていってしまうだろうと思う。

だから今のこの状態を保とうとする必要は全くなくて、むしろ自分達へ揺さぶりをかけられるような仕掛けをどんどん用意してゆけばいいのだと思っている。
落ち着いてきて周りが見えるようになってきたからこそできることは沢山あるはずなのだ。
つまり「落ち着けてきてよかった」ではなく、「落ち着くことでできることが増えたぞ」と発想してゆけばいいのだ。

そうやって、これまでとの比較で考えるのではなく、今を出発点にしてそこからどのようにすれば前へ進めるのかを考えることの方が、気持ちの面でも攻めの体勢でいられるのでとても有効だと思う。

もちろん、これまでの積み重ねを否定している訳ではない。
これまでの積み重ねは、もう身体に十分染み付いているはずなのだから、今また殊更に考えようとしなくてもちゃんと自分達の芝居へは反映されるはずで、そこは信じていいんじゃないかと、そんな風に思う訳だ。


演劇作品に完成は決してない、しかし、だからこそ、完成を目指し続けてゆくもの。

これが、自分にとっての演劇へと取り組む際の信念だ。
それに今回も従って、日々作品を更新し続けてゆくことに努めてゆこうと思っている。


横山 真
[PR]
# by yukinone_makoto | 2012-09-02 11:24 | 出演レポ
8/31(金)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 2日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

2ステージ目。

初日であった昨日からだいぶ落ち着きを取り戻した印象。
しかし決してエネルギーが落ちた訳ではない。

それはもしかするとお客さんの集中力がかなり高かったように感じられたことにも助けられたのかなと思うのだが、全体的に地に足の着いた芝居が行えていたと、そう思える2時間であった。
特に終盤のあの場の高まり方は、なんというか、色んな想いの入り混じった訳のわからない非常にカオスなエネルギーに満ち溢れていて、空間そのものがとぐろを巻いてあそこへ身を置いている人達をどこか違ったところへと誘っていってしまうのではないかとさえ感じさせられたほどであった。
やはり演劇は、お客さんが訪れて初めて成立するものなのだなということをつくづく実感した回だった。

実をいうと、この回が始まる直前まで物凄く具合が悪かった。
全体的に身体が熱っぽく、頭痛とだるさで最後まで身体がもつかどうか心配でもあった。
初日が無事空けたことで多少気が緩んでしまったのかはわからないが、それにしたってこんな状態で本番を迎えなくてはならない状況を招いてしまったことは猛省し、再び繰り返さないよう今後は体調管理を徹底してゆかねばならないのだが、そんな状態であった自分が最後まで駆け抜け切れたのも、上記のようなあの空間のえも言われぬエネルギーに後押しされたからなのだろうなと思っている。

というか、逆にその体調の悪さがいい方向に作用した部分もあったようで、前回見られた余計な力みが今回はほとんどなくて、とにかく目の前の状況に対しリアクションを取り続けることへ没頭することができていたため、むしろ普段よりもかなりいい芝居ができていたのではないかと思う。
昨日はもうひとつだと感じていた小節の長台詞も、今回は自分の中から次から次へと衝動が湧き上がってくるような感覚を覚え、自分としては素直にそれに従ってゆくだけ、という状態で行えたし(但し台詞のラストの方で僅かに自らの衝動をコントロールしようという意識が芽生えてしまい、“今”に対する集中の純度が落ちてしまったことは次への課題となるが)、ラストのカイコーへの台詞も、これまでで一番しっくりとくる感じで、想いの熱量と冷静さとのバランスがいい具合にせめぎ合っているとてもいい発露のされ方をしていたなと感じた。

まあ、体調はいいに越したことはないものの、その時々の体調もちゃんと考慮に入れ、そこにとらわれるのではなくそれをありのままに引き受け、利用できるようになったことは俳優として非常に成長した証だなと、そこは素直に認めていいのかもしれないなと思った。
とはいえそれが不調であることを正当化する理由には決してならないのだが、、、

まだ2日目が終わったばかりで、先は長い。
だからこそしっかりと身体の調子を整えて、最後まで全力で駆け抜けきれるよう努力してゆけるようにしたいと思う。


横山 真
[PR]
# by yukinone_makoto | 2012-09-01 12:50 | 出演レポ
8/30(木)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 初日@せんだい演劇工房10-BOX box-1

今年2月末に行った初見から実に半年近くの時間を費やして創られた『方丈の海』が、いよいよ初日を迎えた。
自分にとって、これだけ長い期間をかけての創作というのは初めてのことであったので、この初日を迎える感覚も、いつもとは全く違っていたように感じる。
まあ、それはこの作品が扱っているもの、そしてそこに対する自らの想い、などといったものも大いに影響しているのだとは思うのだが、いずれにせよ、今回ほど人前に立つことが怖いと感じた公演はなかった気がする。

しかし今回の作品の扱っているものを鑑みてみれば、この恐怖心はあって当然というか、そこの部分は決して麻痺させてしまってはならないことだと思う。
そういった恐怖心と真っ直ぐ向き合い闘ってゆく中からしか、この作品の描き出さんとしているものは立ち現れてこないと思うからだ。

しんどい作業だとは思うけれども、それが、自分達の選んだことなのだから、それを全うすることは当然のことだ。
楽をすることなんかとっくの昔に棄てている。


そんな想いを抱えながら迎えた『方丈の海』。
その初日は、いかにも初日らしい出来であったように感じた。
全体的に、一つひとつを丁寧に行ってゆこうという意志が良くも悪くもあり、それが有効に作用しているところと逆にもたれてしまっているところとで、明確に分かれてしまっていた。

ただ、冒頭のコロスのシーンは非常に躍動感もあって一気にあのbox-1が劇空間へと変容していったのがわかったし、終盤の緊張感もとても絶妙なバランスの元で成立していたように思う。

だから全体としては決して悪くはなかったかなと思うのだが、しかし、一つひとつの芝居の精度については、かなり甘かったのではないかというのが率直なところ。
自分も細かなところで台詞のミスがあったし、長台詞のところはもっとやれたと思っている。

それだけに、その細かなミスや感覚のズレのようなものは放置しておかず、きっちり修正をかけて次へと繋げてゆけるようにしなければなと思う。
そして、作品そのもののクオリティも、日々更新してゆけるよう、自らのでき得る限りの準備を徹底するよう心掛けて毎ステージ臨んでゆきたい。


まだまだ始まったばかりだ。

最後まで全力で駆け抜けてゆけるよう、最大限の努力をしてゆこうと思う。


横山 真
[PR]
# by yukinone_makoto | 2012-08-31 12:48 | 出演レポ