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演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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TheatreGroup”OCT/PASS”vol.34
『方丈の海』

方丈とは一丈すなわち、約三メートル四方の狭い部屋の意である。
三メートル四方の海なんて、どこにある?
海はだだっ広いから方丈に切り取ってみる。
切り取ったら何かわかるかもしれない。わからないかもしれない。
海が襲来する風景をわたしたちは既に視てしまった。
その跡には文明の残滓が瓦礫と名を変えて、
広大な荒野をつくった。
更新される震災の記憶。
新しい約束の場所は現実のものとなって立ち現れるのだろうか?

長年仙台という土地で演劇を創り続け、
2010年には劇作100本を達成した石川祐人が渾身の力を注ぎ描く震災の黙示録

○作・演出
石川祐人

○出演
絵永けい/小川猫雀/長谷野勇希/美峰子/大山健治/荒野紘也/χ梨ライヒ/
河村邦画/漣なみ/佐々木久美子/横山真(客演)/高橋彩(公募出演)

★公演日程
2012年8月30日(木)~9月8日(土)(全9ステージ)
8月30日(木)19:00~
8月31日(金)19:00~
9月1日(土)19:00~
9月2日(日)16:00~
9月3日(月)19:00~
9月5日(水)19:00~
9月6日(木)19:00~
9月7日(金)19:00~
9月8日(土)16:00~
※9/4休演日9ステージ
※開場は開演の30分前
※千秋楽の終演後に、感謝の気持ちを込めて、
 10-BOX開箱十周年記念パーティーを行います。
 そちらにも是非ご参加ください。

★会場
せんだい演劇工房10-BOX box-1(バス停「卸町演劇工房前」下車、徒歩5分)

★チケット
■前売り(当日精算)
一般2,500円/ペア4,000円
大学生・専門学校生1,500円
高校生以下1,000円
■当日
一律3,000円
*高校生は当日も1,000円でお入り頂けます。

★web
TheatreGroup”OCT/PASS”オフィシャルサイト
TheatreGroup”OCT/PASS”メンバーズブログ

◆お客さんの感想まとめ◆
『方丈の海』感想まとめ(ネタバレありvar.)
『方丈の海』感想まとめ(ネタバレなしvar.)

【ご予約方法】
こちらの予約フォームにてご予約頂くか、
yukinone_y@hotmail.co.jp 宛に
以下の件名及び1~4を記載の上、送信して頂ければご予約承ります。

件名「方丈の海予約」
1.お名前
2.メールアドレス
3.ご予約希望の日時
4.チケット枚数
# by yukinone_makoto | 2012-09-10 19:00 | 外部参加告知
9/8(土)16:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 千秋楽@せんだい演劇工房10-BOX box-1

千秋楽。
休演日を含めて10日間しかなかったとはとても思えないくらいに長く感じた『方丈の海』もこれで最後となる。

しかし、だからといって気負うつもりもなかったし、変に感傷的になったりも一切することなくとにかく平常心であることを心掛けながら目の前の一つひとつの芝居へと取り組んでいった。

ただ、そうはいっても、ラストであることの影響というものは確実に存在していて、それは例えば小節の衣装や小道具などは動きの激しさに反して壊れ易いものなので、次があるために壊してはならない時ともう壊れてもなんとかなる時とでは、臨む際の心持ちに多少なりとも影響が出ても不思議ではないとは思う。
だから正確には、「いつも通り」ではないのだろうけれども、だからといって「最後だから」とこの千秋楽という日を特別視することは違うと思うので、違ってしまうことは受け容れつつ、しかし必要以上には意識せぬよう、余計なことはしないよう「今、ここ」へ徹することのみ考えて臨んだ。


その心持ちがよかったのか、実に適度な緊張感で以て舞台上に立つことができていたなと感じた。
あれほど「ちょうどいい」感覚で人前に立てていることも珍しかったなと、思う。

とりわけ劇的に何かがよかったとかそういう訳でもないけれども、しかしかなりの高い集中力では臨めていた。
たぶん、それって非常にいい状態であったという証拠でもあるのかなと思う。
何故なら、その場で起こったことにただただ素直に反応し続けてゆけた結果だとも言えるからだ。

ラストの小節の台詞が、これ以上なく「ちょうどよく」発することができたのも、そんないい流れを受けられたからなのだろうなと思う。


変に意識し過ぎないことが、結果としていい流れを生んでいた。
まあ、文字にしてみれば当たり前のことだと言われていまいそうな感じではあるが、しかし、これほど難しいことというのもなかなかないと思う。
それが今回のような非常に思い入れの強い作品、公演でやれたことは、非常に大きなことであった。

この経験は大切にしたいし、これからへと活かしてゆけるようにしてゆきたく思う。



『方丈の海』という作品、そして小節という役との出会いは、自分にとって本当に大切な出会いとなったと思います。
再演というか、他地域での上演の話もきているようですが、しかしこの作品はひとまずここで終わりを迎えることとなりました。
この出会いに、心からの感謝の意を述べたいなと、思います。

10日間9ステージ、本当にありがとうございました!


横山 真
# by yukinone_makoto | 2012-09-09 21:02 | 出演レポ
9/7(金)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 8日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

8ステージ目。

ここまで長くやってくると、作品が全体的にだいぶ安定してきてお客さんのツボのようなものもある程度予測することができるようになってくるのでかなり高い打率で好印象を与えられるようにもなってくる。
しかし同時に、そういう安定してきた状態というものが、突き抜けることを抑え込んでしまう働きもしてしまっていて、ある種の「無難さ」のようなものを孕んできているような気も、僅かながら感じてきていたりもする。

まあ、正直言ってどちらがいいとも言い切れるものではないとは思う。
お客さんに触れてもらうからには毎回上演する毎にそのクオリティにムラがあることは決して許されることでないと思うし、何か上乗せするにしてもやはりある一定の水準は越えた上でその加える作業を行わねばならない。

しかしだからといって、そのクオリティの維持を目的としてしまうことは違うと思う。
おそらくは、そうしてしまえばすぐさまその作品は腐ってしまうだろうし、クオリティも劣化の一途を辿るのみだ。

とはいえ今の状態はまだそんなに安定志向で板の上に立っている状態では決してないので、そうやって腐ってゆくような状況はまず訪れはしないとは思うのだが、ただ、そうはいってももう少し作品全体を揺さぶってゆこうとするような強い意思を、役者一人ひとりが抱いていてもいいのではないかなとは思う。

何故なら、この作品にはまだまだ伸びしろが非常に多く残されているからだ。
それもそこそこの評価で満足してしまってはあまりにもったいなさ過ぎるくらいに、だ。

毎回、この作品の可能性を最大限引き出すつもりで取り組んでゆかねばならないと思う。
特に今回のような作品では、それが関わる者としての礼儀であるとも思っている。


この公演も、残すところあと1ステージ。

しかし、最後だから、とか、そういうせせこましい考え方は一切せずに、今到達し得る最高地点を目指し、力を尽くしてゆこう。


横山 真
# by yukinone_makoto | 2012-09-08 11:02 | 出演レポ
9/6(木)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 7日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

7ステージ目。

ここまでくると、出演者達も心身共に疲労が蓄積されてくる。
が、それはもう仕方のないことというか、避けられようのない事実ではあるので、重要になってくるのは、その疲労と如何にして向き合ってゆくのか、という点になる。
下手に誤魔化すのでもなく、見て見ぬふりをするのでもなく、その疲労が蓄積された身体で以てどう次のステージに臨むのかをその都度その都度考えてゆくことが大切なのだ。

そしてそのためには、自分達の現状を可能な限り的確に捉え、知ることから始めねばならない。
今の自分達の芝居がその疲労によってどのように変化をしているのか、その変化は修正可能なのか、そもそも修正すべきことなのか、それともその変化から新たな切り口を見出すことの方がこれからの作品にとって有効なのか、、、などなど。
それを把握した上で、ではその現状に見合った手を如何にして打ってゆくのか、考えてゆく必要がある。


さてではその現状はどうなのであろうか。

個人的に感じるのは、全体的によくも悪くも丁寧になってきていて、その反動で公演前半にあった疾走感のようなものが多少損なわれてしまっているなということ。
それはお客さんにとっては落ち着いて観られる、ということにも繋がるため一概には悪いことだとは言えないことなのだろうけれども、しかしそういった丁寧さと疾走感の両立は決して不可能なことではないとも思うため、このままどちらか一方に偏ってしまうようなことがあれば、作品そのものの魅力が半減してしまうことにも繋がりかねないと思う。

もしかすると、回を重ねてゆく中で、知らず知らずのうちに自らの発するべき一つひとつの言葉に対する思い入れが強まってしまって台詞離れが悪くなっていってしまっているのかもしれない。
その、一つひとつの言葉に強い思い入れを持つ、ということはとても素敵なことだと思うし、俳優としては自らの台詞をそう思えるということは非常に重要なことではあると思うので、その思い入れそのものを薄めてしまう必要はないと思う。
そんな引き算の発想で取り組むよりも、その強まったエネルギーを超えるような強い意志で以てその言葉達を手放せるようになることの方が遥かに建設的だ。
どうせ手を打つのならば現状をうまく利用して、足し算の発想で取り組んでいった方がよっぽど作品を高みにもっていけるはずだから。

早速次の回から、そのことを強く意識して臨んでゆこうと思う。


残りは2ステージ。
しかしそれはそれだ。
とにかく目の前のやるべきことを一つひとつしっかりと果たしてゆくことに専心してゆこうかと。


横山 真
# by yukinone_makoto | 2012-09-07 13:40 | 出演レポ
9/5(水)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 6日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

6ステージ目。
今回は休演日を挟んでしまったためか妙に身体が重く、また、特に序盤はどうにも腰が定まらずふわふわしているような不思議な感覚であった。

ただ、それが作品の上でいい方向に作用していたのか悪い方向に作用していたのかはよく分からなくて、たしかに身体の底から湧き上がってくるような重厚感のあるエネルギーを発せていた訳ではなかったのだが、今回のようなあの力の抜けた状態で発せられる伸びのあるエネルギーは、それはそれで作品にいい影響を及ぼしていたのではないかと思っている。
また、中盤以降の、シーンでいうなら小節の長台詞の辺りからはまた厚みのあるエネルギーに戻っていったので、それがシーンの推移によって生じている小節の身体の変化に沿っていてもいて、結果的になのだが作品を通しで考えてみた際には今回のようなエネルギーの質の変化は小節という役の心境の変化のメリハリにも繋がっていて、それが観ている側にとっては役の厚みを感じるきっかけになっていたのではないかと思う。


こういう意図しないところでどんどんと作品が変容してゆくのを感じる度に、演劇というものの奥深さを思い知らされる。

あれやこれやと思い悩んだり足掻いたりしてやっと前進できたと思ったり喜んだりしているこちらの葛藤をよそに、自分達では思いもしないようなところから、思いもしないようなことが作用して作品の質が向上したり劣化したりする。
そしてその度に自分達の浅はかさを思い知らされたりする訳なのだが、しかしだからこそ、この演劇というものを辞められないのだろうなと思っている。

ただ、思うのは、いくら自分達の思うようにことが進んでいかなかろうと、いくらコントロールできるような代物ではなかろうと、それだからといってベストを尽くすことをやめてはいけないということ。
むしろ思うようにいかないからこそ、自分達にやれることはやり尽くしておかねばならないのだと思う。
でないとどんなにいい作用が作品に起こったとしても、そのいい作用を有効に生かすことができないからだ。

やはり「人事を尽くして、天命を待つ」という姿勢は非常に大切なことなのだろうなと、思う。


これで残りステージは3。

いよいよ先が見えてきた訳だが、しかしそれはそれ。
ただただひたすらに、今に飛び込んで、「いま、ここ」の繰り返しを心掛けてゆくようにしたい。


横山 真
# by yukinone_makoto | 2012-09-06 14:59 | 出演レポ