演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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<   2010年 06月 ( 10 )   > この月の画像一覧

お陰様で、マームとジプシー『しゃぼんのころ』は
5/31(月)をもちまして無事に全日程を終了致しました。

ご来場頂いた方々及び関係各位の皆様方には心よりの御礼申し上げます。



2年前、8年連続200本安打を達成した際のイチロー選手が、

「続けるということが、毎回違う苦しさを生む」

ということを言っていたのだけれども、
まさにその通りだと感じた公演だったなと思う。


今回の創作は本当に苦しかった。
もう、自分は限界なんじゃないかと何度も思わされた。

そしてそれは本番が始まってからも同様で、
驚くほど多くの人達が賞賛の言葉をかけてくれたのだが、
そんな周りの声とは裏腹に、
どこまでいっても自分達の拙さばかりが目に付いて、
毎回自らの出来に対し悔しさしか残らなかった。


千秋楽、日比野という人間が自分の中でとても無理なく繋がった感覚があって、
自らの役をそれまでよりももう一段上の段階にまで
引き上げることができた実感があったのだが、
そうなった瞬間には新たな自分のアラの部分が見えてきていて、
結局のところ「やりきった!」などという晴れやかな気分にもなることなく
これからの自らの課題と向き合うことにしか意識が向かわなかった。

たしかに千秋楽はこれまでの中ではダントツによかったとは思う。

が、それはこれまでの自分と比べてのことでしかなくて、
自分が思い描く理想からすれば全く以て程遠い状態であった。


きっと、続けることの苦しさってこういうことなんだろうと思う。
どこまでいっても途中経過。

もし晴れやかに「やりきった!」と思えたのならば、
たぶんもうそれを続ける必要なんかないんじゃないか。

や、これって偏っているのかもだけど、
でも、俺にとってはそういう向き合い方しかできないんだと思う。


だからこそ、もっともっと向上してゆきたい。

今回、明らかに体力不足であることを露呈してしまった。
楽日に近付くにつれて、身体の切れが落ちてきてしまってた。

千秋楽などはたかととのシーン直後に裏で吐きかけたし、
後半握力がなくなっていたからふうこを止める時にも
腕で締め上げる感じでしか止めることができなかったし、、、


声に関しても、あの程度の絶叫で声帯を痛めてしまうようなことは以前はなかった。

たぶん感情の高まりに身体がついてゆけてなかったから、
形だけの雰囲気での絶叫芝居になって声帯の負担を大きくしてしまったんだと思う。

身体は正直なんだから、サボればサボった分だけ衰えてくる。
このままじゃ10年後も続けていられるとはとても思えない。


だから、身体ももっと鍛えたい。
発声についてももう一度一から見直してゆきたい。

また、本も沢山読み漁りたいし、
芝居も映画もスポーツも音楽も絵も、
とにかく色んなものに触れてゆきたい。

そして、「台詞を入れる」ことや「空間に馴染む」ことなど、
俳優としてこれまで「当たり前」にしていたことについても見つめ直してゆきたい。



ただ、ここまで書いておいてあれなのだけれども、
今回のマームでは3名の男性陣が皆好評であったことが物凄く嬉しかった。

これまでのマームでは、どうしても女性が強く見られてきたために
男性があまり目立っていなかったのだが、
今回はその点については結果を出すことができて非常によかった。



まあ、今後も歩みを止めることなく精進してゆきます。

繰り返しになりますが、、、本当にありがとうございました!


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-02 22:25 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』6日目(5/31(月)19:00~) @STスポット

9ステ目。

前日までのフィードバックを行ったのだが、それによって気付いたことがあった。

たかととぶつかり合うシーンで、感情の高まり方がどうも頭打ちになりつつあって、しかし、どうしても思い描いているイメージとは違う気がしていたのだが、そこの原因が見えてきたのだ。

あのシーン、初めて行った時には全く以てたかとのことなんか分かっておらず、また、分かろうともせず、「お前が理解しようがしまいが関係ない。でもとにかくお前に言っておくことがある。そうでないと俺の気が収まらん」というかなり目茶苦茶な姿勢で以てたかとに自らの想いをぶつけていた。

しかし、何故か稽古を重ねてゆくうちに、「分かって欲しい」という気持ちが芽生えてきてしまっていて、しかも厄介なのは、その気持ちのお陰である程度のところまでは気持ちの高まり方はスムーズにいってしまっていたことだった。
たぶんこれは自分の性格的な問題もあるんだろうと思う。
「相手のことを想う」というアプローチの方が自らの気持ちを高め易いこともあって、知らず知らずのうちに日比野が本来備えているものであるはずの「(子供目線から見た)大人の理不尽さ」が薄まってしまっていた。
だから、最初の時の稽古時よりも感情の高まり方は上だったし一つひとつの行動のディティール自体も断然細かくなっているはずなのに、やりとりそのものはどうしてもしっくりこず、最初の時の方がいいように見えていたのだろうと思う。

ほんの僅かな照準のズレが、ここまでの差を生み出してしまうとは、、、しかし、全日程を終える前にそこに気付けてよかったと思う。

結果、この回の日比野はこれまでの中で一番の出来であったと自分では感じている。
が、それと同時に、これまでに気付かなかった自分の足りない点が新たに見えてきてしまった。
たぶんこれっていい傾向なのかもしれないのだろうが、まあ、悔しいことには変わりない。

とはいえ、最後の最後でそれまで越え切れていなかったラインを乗り越えることができたことは、今後の自分の活動において大きな財産になることは確実だろうなと思う。

「これから」に目を向けることができる終わり方ができた、という意味においては、非常によい千秋楽であった。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-02 22:04 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』5日目ソワレ(5/30(日)18:00~) @STスポット

8ステ目。

この回、日比野の序盤のシーンの出来としては、この回が一番うまく流れていたんじゃないかと思う。
観客との呼吸の循環も、かなりうまくいっていた実感があった。
お互いの領域を侵すことなく、しかし相互に作用し合えているような部分もあったりして、純粋にそのライブ感が(誤解を恐れずに言うならば)楽しかった。

が、まだ最終的な高まり方は甘い。

特に、たかととぶつかり合うシーンが、入りはよかったのだが、途中から息切れしてしまって最終的には失速しつつの尻すぼみ状態になってしまった。

思うのは、もっと場に身を委ねてみようとしてみるべきなんじゃなかろうか、ということ。

反省点は多かったものの、この回にたかととの向き合い方について色々と細かく工夫してみたお陰で、激情のスイッチが入る道筋は見えてきた気がする。
それだけに、あとは目の前の状況に飛び込んでいって、そこで生まれるものを確実に編み上げてゆくことだけを考えてゆこうと思う。

が、そのためには、しっかりとしたフィードバックを行ってゆかねばならない。
その場に身を委ねるためには、委ねられるだけの準備がなければ単なるノリになってしまうのだから。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-02 18:03 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』5日目マチネ(5/30(日)14:00~) @STスポット

7ステ目。

個人的には、疲労のピークは昨日のソワレであったらしく、この回では疲れはあるものの、そこに足を引っ張られてしまうような感覚はなかったように思う。
まあ、開演前に入念にアップを行ったことがそう感じさせてくれたのかもしれないが。

ただ、この回の時は何故か異常に空気が乾燥していたためか、思うような声が出てくれず、そこの点で少々苦労してしまった。
この回の自分の第一声が意図しないところでひっくり返ってしまったことが、それを象徴していた。

また、乾燥によって声帯が荒れているために、無意識のうちに喉への負担を減らそうと声圧を抑え込む力が弱まって、重みのある声がなかなか出なくなっていた。
そのため、たかととのシーンで自らの声の抑えが利かず、腰の入っていない軽くてうるさいだけの声になってしまった。
あれでは変に耳に突き刺さるだけの不快な印象を受けてしまった方も結構いたかもしれない。
自らの想いに身体がついていけていないなんて、俳優としては恥ずべきことだと心得ていた方がいい。

そもそも、開演前にその兆候は見えていたわけだから、そこでなんとか対策を打っておくべきだった。
「気合で乗り切ろう」などと根性論的な発想に思考が傾いてしまったことがこの回の最大の反省点だと思う。

もっともっと、自らの役、自らの作品にこだわりを持とう。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-02 12:02 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』4日目マチネ(5/29(土)18:00~) @STスポット

6ステ目。

疲労がピークに達してきたためなのか、却って変な力が抜けて各シーンの流れ方がすんなりいけていたように感じる。
そのお陰なのか、ラストに向けての各俳優の高まり方も、これまでの6ステージ中最も劇的であったように感じた。

自分はというと、日比野自身の作中における感情のライン及び高まり方はだいぶ安定してきたのだが、その反面、空間に対する注意力や言葉に対する引っ掛かり方がだいぶざっくりしてきていて雑になってきているようである。

それが一番顕著だったのは、あるシーンでハケる直前に椅子に足がぶつかったにも関わらず、そのことを全くなかったこととして完全に無視してしまった時。
それができてしまったということはつまり、自分の導線にばかり意識が向いてしまっていて、その他の不確定要素を自らの勝手な判断で排除してしまっていたということである。
それでは舞台上で生きているとは決して言えない。

たしかに作品全体のリズムを崩してはならないのも事実だ。
が、舞台上で思いもかけず起こってしまったことを「なかったこと」としてしまうのは、そのリズムを崩してしまうことよりもいけないことなんじゃなかろうか。
だってそれは、「嘘をつく」ということなんだから。

嘘をつけば、大なり小なり必ずや作品のどこかに歪みが生じてくるはず。
作品を構成する俳優の一人として、それを許してしまうのは決していいはずはないだろう。

今一度、自らの意識の持ち方を見直した方がいい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-02 09:00 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』4日目マチネ(5/29(土)14:00~) @STスポット

5ステ目。折り返し地点。

全体の流れが見えてきたということもあるんだろうが、細かいところでのコントラストがぼやけてしまう瞬間がちらほら見えるようになってきた。

日比野としての在り方に関しては、だいぶ身体に馴染んできているのだが、まだフットワークが重くなる瞬間がいくつかあるのでもう少し役そのものを軽量化したいなとは思う。
もちろんそれは、これまでの積み重ねを無くしてゆくということではなくて、不必要に重装備になってしまっているところをひとつずつ取り除いてゆく作業を行ってゆきたいということだ。
決して引き算をしてゆこうということではない。

が、同時に、もう少し腰を落ち着けて人と向き合うべき部分もあって、言葉の方が先行して自動的に台詞が出てきてしまうため、逆に会話のリズムが崩れてしまうことがある。
馴れによる集中力の薄まりが、その状態を生んでしまっているんだと思う。

もっと細かく丁寧に、言葉のイメージや相手から受け取れるものに引っ掛かってゆくようにしたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-01 22:59 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』3日目(5/28(金)19:00~) @STスポット

4ステ目。

序盤、全体的に一人ひとりの声というか舞台上の空気というか、それがなんとなく軽いように感じてしまった。
まあ、とはいえ徐々に落ち着いてきて、最終的には昨日よりも進歩はできていたように感じはした。

個人的にも少しずつ、前進できているようには感じているのだが、まだ全然足りない。
まだ相手役の台詞の意味合いに引っ掛かりを持っている部分があって(特にたかととのシーン)、“理”で組み立てている思考回路が何割か頭の中や身体に残ってしまっている。

もしかすると、それが突き抜け切れなさに繋がっているんじゃないかという気がする。

既に身体のいたるところを傷めてしまっているが、それが自らのパフォーマンスの劣化に繋がってしまうことは決して許されない。
身体のケアだけはしっかりと行っておきたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-01 20:58 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』2日目ソワレ(5/27(木)19:00~) @STスポット

3ステ目。

ようやく一人ひとりの舞台上での在り方が板についてきた感がある。
それは裏で声だけ聞いていても分かった。

たぶん、この回がこれまでで一番安定はしていたのではないかなとは感じた。
が、まだまだ躓いてしまっている瞬間は多く見られるため、全く安心はできないし、してはならない。

個人的にもこの回がこれまでの3ステージの中で一番スムーズに繋がっていた気はしている。
が、細かい部分でのミスはこの回が一番多かったし、雑になってきている部分もある。

舞台上の空気や観客との呼吸のやり取りが身体に馴染んできて力が抜けてくるのは悪いことではないが、しかし、それが雑になることに繋がってゆくようでは駄目だ。

第一、舞台を取り巻く環境そのものは毎回違うわけだから、そこについて新鮮さを感じられないようではそれは嘘の適応でしかないと思う。

毎回が最初で最後なんだから、本来馴れなんてものはないはず。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-01 18:36 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』2日目マチネ(5/27(木)14:00~) @STスポット

2ステ目。

初日よりかはいくらか固さもとれてきたが、まだ全体的に力みは抜けきっていない感じがする。
その証拠に、特に序盤で一人ひとりの台詞が早口過ぎて、自分自身の身体ですらついてゆけてなくなっているように感じた。
ということは、観客はもっとついてゆけていないということだ。

思ってもいないのに言葉が出てきてしまうということは、それはつまり、嘘をついているということでもある。
感情やイメージから言葉が生まれてくる、という回路を、もう一度各自で確認していった方がいいのかもしれない。

自分の方はというと、たかととのぶつかり合いのシーンの時に、美術にぶつかってしまった。
しかもその後、台詞そのものもぐちゃぐちゃになってしまっていて、完全に冷静さが失われていた。

まあ、別に美術にぶつかったために動揺して台詞が目茶苦茶になってしまったという訳ではなくて、台詞も目茶苦茶になってしまうくらいに入り込みすぎていたために、美術にもぶつかってしまった、、、というのがあの時の状態としては合っているのだが。

気持ちを高めるためには、上のベクトルにばかり意識を向けていても限界があって、一方では冷静に自らを認識する部分がなければ、次のレベルの高まりには到ることはできない。
その点で、この回の自分は完全に駄目であった。

自らの中で感情のせめぎ合いを行ってゆくのは非常に消耗する作業だ。
が、そこから目を逸らし、楽をしようとしてしまうのであれば、舞台に上がる資格はない。

猛省し、次の舞台に臨むようにしたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-01 16:34 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー5月公演
『しゃぼんのころ』初日(5/26(水)19:00~) @STスポット

初日。

ある程度のクオリティのラインは当然(と、敢えて書かせてもらう)越えているものの、初日らしく固かった。
が、観客の集中力が高かったので、舞台上の空気感は悪くはなかったように感じた。

そんな中、やはり観客が入ってみてはじめて作品というものは成立するものなのだなということを実感した。
それは別に観客に合わせるとかそういう意味合いではなく、観客に触れてもらうことによって舞台作品というものは自らの立ち位置が確立されてゆくものなんだなということだ。

つまりは今日、初めてこの作品が舞台作品として成立したのだ。


個人的には、ゲネの時よりだいぶ持ち直してきた感じではあったが、まだまだであった。
崩れかけそうなものをぎりぎりのところで堪えているような感じで、高まりきれていないというか、高まれるだけの余裕がどうしても持てなかった。

不安な気持ちと喧嘩してしまったのも大きかったのかもしれない。
舞台上に立とうとする以上、どうあっても不安なんてものは付き纏うものなのだから、それを余すことなく引き受けて、己の力へと変換させてゆくことを忘れてはならない。

心を強く持って、明日からも臨みたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2010-06-01 12:32 | 出演レポ