演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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STスポット提携/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』千秋楽(11/8(日)17:00~) @STスポット

早いもので、これで千秋楽。

本日のマチネの出来にだいぶ手応えを感じていただけに、このいい流れに乗ってゆくことができれば確実に今公演最高の出来となるであろう自信が少なくとも自分の中にはあった。
そして実際に、この回の出来は非常に素晴らしいものがあったのではないかと個人的には感じた。
昼のよい出来を経ていたからといって守りに入る様子も全く見られず、ただひたすらに目の前の状況へと飛び込み没頭できていたのだ。

舞台上で役として深く呼吸をすることができるというのは、これほどまでに気持ちのよいものであったか、そう感じることができるほどに、この回は共演者とも観客とも呼吸が噛み合っていたような気がする。
そのお陰だろうか、色々なことに無理がなかったと思う。

最後の最後でこのような感触を持てたことは、自分にとっては本当に大きなことであった。
途中、紆余曲折もあったが、今思えば小屋入り2日目の通し時のよい感触のまますんなりいってしまっていなたら、この千秋楽のような感覚を味わうことはできなかったような気もしている。
というのも、初日直前のゲネの段階でつまづきながら、それでもなんとか本番では状態が悪いなりにも作品のクオリティだけは死守しつつ、苦しみながら自らの浮上のための道を探り続けてきたからこそ、到れた地点であったのではないかと思うのだ。

正直言って、この間の辛さはこれまでには経験のない質の辛さであった。
が、それだけに、決して心を折ることなく我慢し続けてきた甲斐があったと思う。

実はこの回を迎えるまで、自分は今後俳優を続けるかどうかで悩んでいた。
それどころか、なんとなくではあるが「これで最後になるかもな」などとさえ思っていたほどである。

しかし、千秋楽を終えた時、自分は「まだ続けたい」と素直に思うことができた。
おそらく作品の質が前の回よりも落ちていたら、本当にこれで最後になっていたのではないかなと思う。

ギリギリのところで踏みとどまることができたのは、ひとえに藤田君をはじめとした周囲の人の助けのお陰である。
心から感謝したい。


よくよく考えてみれば、これまでのマームの公演の中でも、千秋楽の出来が全ステージの中でも一番よかったなと感じた公演というのは記憶にはない。
作品そのものののクオリティだけではなく、そういった“安定感”といった視点から見てみても、今公演におけるマームの団体としての成長というものを自分は感じている。

自分個人としてもそうであるが、団体そのものも成長を感じさせてくれるのだから、本当にマームは素敵な団体であると思う。


今回はこれで最後であるが、また再びマームの作品に関われることを自分は強く願っているし、きっとそのチャンスはくるであろうと信じている。


本当に、ありがとうございました!


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-18 22:20 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』楽日マチネ(11/8(日)13:00~) @STスポット

5ステージ目。

昨日までの反省を踏まえ、本番前の稽古にてこうへいの芝居の方向性を大幅に変更(感情の流れはそのままだが)することとなった。
かなり大胆な変更のため最初はかなりの戸惑いを覚えたが、稽古を終えてから自分の役についての色々を整理して考えてみたら、こちらの質感の方が自分の性質にも合っているし、役の成立の仕方が無理矢理な感じではなくなるなと思えるようになった。
「あ、こういう奴いるいる」というような説得力を持ちつつ、横山真という俳優の特性も生かせる変更になれたように感じる。

この気付きを与えてくれたのは、他ならぬ藤田君であった。
正直言って、この変更はある意味カケに近かったのではないかと思うのだ。
自分がこの変更によって逆に混乱してしまう可能性だってゼロではなかったからである。

しかし結果的には、前日まで「悪くはないがしっくりこない」という状況に見舞われ真綿で首を絞められているような状況にあった自分は、彼のお陰で現状を打破するための楔をなんとか打ち込むことができた。

そうした敢えて一歩踏み出すことのできる彼の強い信念と勇気、そして俳優に対する信頼感には、心の底から感謝している。
そして、だからこそ、この気付きは即、作品に反映させてゆかねばならないという思いを抱きながら本番へと挑んだ。

その甲斐はあった。

稽古の段階では1シーンのみを修正しただけであったのだが、全てのシーンでこうへいがしっかりと、確実に生き出しているなという実感があったのだ。

また、観客からの反応の質も、「笑われている」から「思わず笑ってしまう」へと変化していたように感じる。

そしてなにより、楽しかった。

しかし同時に、まだいけるなとも感じた。

この回の出来は、作品全体を見ても、これまでの5ステージの中で最もよい出来であったと思う。
が、ここがリミットではないなとも感じたのだ。

おそらく、流れは今、登り調子である。
これにうまく乗っかって、千秋楽は更に高いところへと登りつめてゆきたく思う。

次でこの公演も最後だ。

しかし、作品は千秋楽を終えたところで未完成なままであり、どこまででも高め続けることができるものだと思う。
だから、今の自分達のベストを表してゆきたいと強く思う。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-13 18:39 | 出演レポ
STスポット提携/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』3日目ソワレ(11/7(土)18:00~) @STスポット

4ステージ目。

本日昼の回でようやく落ち着きを取り戻し、地に足の着いた芝居ができるようになってきたためか、2日目までのような浮き足立った感じはなくなってきた。
しかし冷静に判断すれば、昼の回と比較してみてもあまり作品の質が高まっている実感はなく、出来そのものは現状維持であったように感じた。
が、大幅にクオリティが落ちたとは言えなくとも、自分達で「現状維持」だと感じている時というのは、大抵の場合においてその前の回よりも質は下がっていると考えなければならない。
多少なりとも前進できている実感を持ててようやくトントン、くらいの認識でいないと、すぐに作品のクオリティは劣化してしまう。


この回は、物語の前半部分が物凄く走っていた。
1~2場までのタイム自体、確実にこれまでの稽古を含めて最速だったと思う。
しかし、その速さとは裏腹に、芝居そのものはしっかりと地に足が着いている感じであったため、その速さが作品に悪影響を与えるとまではいってはいなかったようである(まあ、良い影響を与えたとも言い難いが)。

自分の話をすると、この回の自分は全体的にエネルギーが不足していたように思う。
但しそれは、外に発せられるエネルギーが不足しているというよりは、その外に出ようとしているエネルギーを抑える力が不足してしまっていたということである。

だから、外から見ればむしろ横山のエネルギーは有り余っていたように見えたかもしれない。
が、それは実際には栓が抜けて空気が漏れ放題の風船のようなものであっただけである。
ただエネルギーを発することよりも、発せられようとしているエネルギーを抑え込むことの方が自分にとっては遥かに力を必要とするのだ。

今となっては、なぜその緩みをよい方向へと利用できなかったのかと後悔している。
自分の身体の現状を無視した状態で、これまでの感覚だけを芝居に持ち込もうとしていても、それは稽古の時の形だけをなぞることとそう大差はないのだから。

これまでの稽古で行ってきたことの目的は、そんなところにはないのだということをもう少し自覚すべきである。

バスケやサッカーなどの試合におけるパターンプレーだって、練習で行うのはあくまでも基本的な流れを身体に叩き込むことであって、試合中に全くその通りに行うために練習している訳ではないはずだ。
当然、相手チームの選手達はそのプレーを成立させにくくするために妨害してくる訳で、大切なのは目の前の状況にうまくアジャスト(対応)させてゆくことである。

芝居においても、目の前の状況にアジャストさせてゆかねばならないのは同じことだと思う。

どうもそういったところが自分はまだまだ甘い。

なんとなくで芝居を行ってしまう瞬間を、限りなくゼロに近付けてゆかねば、決して前進などできないと心掛けてゆくべきである。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-13 18:33 | 出演レポ
STスポット提携公演/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』 3日目マチネ(11/7(土)14:00~) @STスポット

3ステージ目。

ようやく自分達のペースを保ちながら観客と向き合うことができてくるようになってきた気がする。

昨日までの大振りな芝居も、本番前の稽古での修正も相まってだいぶ鳴りを潜め、各人の台詞離れもよくなってきたせいか芝居全体にリズムが生まれてきたように感じる。
細かな感情の変化の機微が見られて、やっと作品が一本の線に繋がってくれたような感じである。

観客との向き合い方も、昨日までのような分かり易く熱の篭った関係というよりは、静かながらもしっかりとお互いの呼吸を感じ合うことが出来るような関係を保てていたように思う。
なにより舞台上と観客との間にいい意味での冷静さを持った距離感があり、それが気持ちのよい集中を生んでくれていた。

自分個人としても、「今俺は芝居してるぞ!」というような感覚が全くなく、いちいち物語を背負わずいい意味で適当に、しかし目の前のことにしっかりと没頭できていた。
舞台上で、しっかりと呼吸ができていたように思う。
ただ、やや発散気味の芝居になってしまっていた瞬間があったのが惜しい部分ではあったのだが、、、

まあ、よかったとはいっても、それはこれまで3ステージの中でであって、まだまだやれるような気もした。
まだ、この作品の持つ魅力を十分には引き出しきれていないように感じる。


だからこそ、今回の出来から決して後退させることなく、もっともっと上を目指して登りつめてゆくことに集中してゆきたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-11 17:56 | 出演レポ
STスポット提携公演/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』 2日目(11/6(金)19:00~) @STスポット

公演2日目。

初日である昨日に比べたら、多少落ち着いてきている感はあったのだが、しかしまだ昨日と同様に、観客の反応の方がこちらから発しているものよりも大きかったように感じた。

なんというか、舞台上と客席の呼吸がもうひとつ噛み合いきれていないような感覚があり、それを補おうとしてしまうためなのか、一つひとつの芝居が大振りで分かり易くなってしまっていた。
たしかにそっちの方がその瞬間瞬間では見やすいし、一つひとつのシーンだけを抜き取って観ている分には十分面白いのかもしれない。
しかし、そういう大まかで見易い芝居を行ってしまうことによって、これまでの稽古でもの凄く細かく緻密に突き詰め深めてきた一人ひとりの役の気持ちの流れまでもが、ざっくりとした大雑把なものとなってしまった。
そのため、短いシーンが集まっただけの短編集のような作品になってしまっていたように感じた。

おそらく、昨日今日と感じていた違和感のようなものは、ここに起因しているのではないかと思う。

目に見える部分にばかり意識がいってしまっていては、今回の作品の魅力は半減してしまうと言っても過言ではない。
刹那的な楽しさばかり集まったところで、本質的な感動には繋がってこないことを、もっとしっかり認識すべきである。


もう一度、原点に立ち返ってみて、作品と向き合ってゆくようにしたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-11 17:45 | 出演レポ
STスポット提携公演/マームとジプシー11月公演
『コドモもももも、森んなか』 初日(11/5(木)19:00~) @STスポット

いよいよ初日。


実は、本番前に行なったゲネの出来は本当によくなかった。
前半はよかったのだが、3場の辺りから一人ひとりがきっちり芝居をするようになってしまったため、もの凄く重々しくて観ていて疲れるようなものとなってしまっていたのだ。

そして、その原因となったのが、3場から登場のこうへい役である自分であった。
芝居中、間を気にしてしまったのだ。

かねてから3場が作品の構成上でも鬼門であったことは分かっていたのだが、だからといってそこを何とかできるかどうかというのは自分一人の力でどうなるものではないはずである。
そのことは重々承知していたつもりではあったのだが、しかし何故かゲネ時の自分は焦ってしまい、作品全体のペースをなんとか自分で調節しようなどと考えてしまったのだ。
当然、そんなことを考えてしまえば、目の前の状況を無視した段取り芝居になってしまうのは目に見えており、そんな芝居を観ていても面白いはずがない。

前日の通しでの感触が非常によかっただけに、ここにきての躓きは非常に痛かった。
おそらく、初日を目前にした不安や怖れの心が、知らず知らずのうちに焦りの気持ちを生んでしまっていたのかもしれない、、、



さて、そんな一抹の不安を抱えながら迎えた本番初日。

もう終わったことはいつまでも引きずっていても仕方のないことなのであるから、自分としては、あのゲネによって悪いものは出し切ったという風に気持ちを切り替えて臨むようにした。

今日の舞台は、素直な感想としては「観客に助けられた舞台」であった。
というのも、今日のお客さんは非常に強い集中力を以て観劇に臨んでいたように感じたのだ。
一つひとつの反応が、マームの作品をよく分かっている人達だなと感じさせるものであった。

が、演じ手の方が若干、それに甘えていたようにも思えてしまった。
や、たしかにこれだけの反応がくるくらいのことはやっている自負はあったのだが、観客の期待値の方が演じ手の発信しているものよりも高く、どちらかといえば観客の期待にこちらが応えている、というような関係になっていたように感じてしまったのだ。

しかしそれでは、これまでの稽古で積み重ねてきたことの意味はなんだったのだろうか?
それに、観客の求めに応じている限りは、観客の想像を越えるものを発信できる訳がないとも思う。

だから、甘えていたように思えたのだ。


自分の話をすれば、この回のこうへいは、「笑われていただけ」であったように感じた。

なぜそうなってしまったのかといえば、観客からは“横山真という役者が演じている”こうへいが見えてしまったためなのだと思う。
たぶん純粋に「こうへい」という存在には見てもらえなかったのではないか。

もちろん、横山真という人間がこうへいという人間になりすますということは嘘をつくことでもある。
しかしだからこそ、観ているお客さんが横山真という人間を忘れ去って、こうへいのことだけを気にしている瞬間のようなものを作り出すことができるかどうかによって、それが嘘で終わるのか演劇として成立するのかが決まってくるのではないかと思うのだ。

これもおそらくは、観客の「この人は本当はこうへいではないんだけど、演劇を観る際の約束ごとですからまあ、こうへいとして認識して観させてもらいますね」という見方に甘えていたための結果なのではないかと思う。


なんというか、この回は、お客さんのお陰で結果的には楽しんでもらえるものと仕上がってくれた、という感じであった。
や、まあ、自分達の作品に求めているもののレベルが上がってきているためにこう感じてしまうのかもしれないのだが、だからといって結果に妥協など決してできないのも事実。

もっともっと貪欲になってゆかねばならないと思う。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-10 16:53 | 出演レポ
ココロが追いつかなくてもカラダはどうしようもなく成長してしまう、に、まず着想した。
そしたら、ココロ、カラダ、コドモ、と、すんなり転がった。
ボキャブラリーの少ないコドモたちは、意味合いで会話するのではなく、きっと僕らなんかより、イメージとイメージで会話をしている。
言葉がないから意味を伝えきれなくて、だからイメージを共有してやっと成立している。
僕らなんかよりシビアな社会に、やつらは生きている。
自分が持つイメージを、どうにかこうにか相手に伝えようと、必死に、頑固に、カラダをフルに使って、もがいている。
このもがきこそ、僕がやつらに嫉妬するとこ。
このもがきこそ、今回やってみたいことなのです。

                                    マームとジプシー主宰・藤田 貴大

STスポット提携
マームとジプシー11月の公演

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コドモもももも、
     森んなか
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  θ コドモたちの
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    ちぐはぐな

  カラダとココロ、

  それと
 すこしだけ、
  ミライ。

 作・演出 藤田 貴大

θ にってい θ
2009年11月5日(木)~8日(日)
 5日.木 19:00
 6日.金 19:00
 7日.土 14:00/18:00
 8日.日 13:00/17:00
****受付開始、開場は開演時間の30分前から

θ ばしょ θ
STスポット(JR『横浜駅』西口より徒歩5分)

θ ちけっと θ
ご予約/当日 ¥2000/¥2200

θ ぶろぐ θ
http://ameblo.jp/mum-gypsy/

θ すとーりー θ
どこかの田舎街。
  幼い三姉妹。
   大人たちが作った街の片隅。
 コドモたちは、自分たちだけの“居処”を作って 遊んでいる。
幼少期から青年期までの数年間。
      居場所を求めて、壊された、コドモたちだけの話。

θ ごよやく θ
件名「マームとジプシー予約」
1.お名前
2.メールアドレス
3.ご予約希望の日時
4.チケット枚数

上記の件名及び1~4を記載の上、
yukinone_y@hotmail.co.jp 宛にメールを送信して頂ければご予約承ります。
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by yukinone_makoto | 2009-11-09 00:00 | 外部参加告知
11/4(水)12:00~22:00 @STスポット

【外界への印象】
《天候》
●晴れ
・日向と日陰のコントラストがはっきりしている。
・音がよく響く。乾いた感じ。
《空間》
●STスポット
・音の残響(特に高音の)がやけに気になってしまい、たまにもの凄く聞き取りにくくなる瞬間が何度かあった。
・だいぶ居心地がよくなってきた。
・空気の乾燥がやはり辛い。

【身体状況】
・腰周りが鈍く痛い
・目、鼻、喉といった粘膜部分が乾く感じがして嫌
・気持ちはすっきりしている
・上方に対しての意識が回りにくい

【今日のテーマ】
◆信じる

【レポート】
とうとう明日で公演初日を迎える。

しかしまだまだやるべきことが沢山あるのも事実で、だからこそ限られた時間の中で最大限の効果を生み出せるよう、稽古前の下準備の段階から徹底してみた。

その中でも、一番重点的に行ったことが、時間の空いた時には可能な限り劇場内に身を置き、美術や照明を時には注意深く観察し、またある時にはただぼんやりと眺めたりしてみることである。

なぜ注意深く観察するだけではなく「ぼんやりと」眺めたりすることも大事だと思ったのか。
それは、積極的に空間へとアプローチを仕掛けてゆき、発見を増やしてゆくこともたしかに大切なことなのだが、見よう見ようと目を凝らしてしまうことによって見えなくなってしまうものも沢山あるからである。
従って、ただ闇雲に空間を細かく観察し続けることばかり続けるのではなく、気の入れ具合いに緩急をつけながら観察してみることも、新たな発見を生み出すきっかけに繋がるのではないかと思うのだ。

また、空間に身を置く時間が長ければ長いほどその発見が自らの身体とも落とし込まれ、馴染んでき易くなるだろう。
そのため、劇場内にいられる時には極力身を置くように心掛けてもみた。

結果、あの空間とだけではなくて、美術や照明とも、かなり仲良くなれてきたような気がした。
が、仲良くなれてきたと言って、じゃあ具体的に何が変わり、それが自分の芝居にどう影響を及ぼしたのかを明確に説明することは難しいのだが、明らかに昨日までの自分とは舞台上に身を置いている時の心持ちに変化が生まれてきている実感がたしかにある。

現に、今日の通し稽古時には、かなり余裕を持って舞台上に立てているため、役として存在することにとことん集中できていた。
しかも、今日はこうへいの初登場のきっかけを聞き逃してしまい出が若干遅れてしまうというミスを犯し、初っ端からつまづいてしまったにも関わらず、そんなミスにも全く動揺することなくむしろいい状態で芝居を進めることができたのである。

今日の自分は、細かいミスを除けばこれまでで一番よかった。
適度な弛さも備えつつ、しかしだからといって決して軽い訳ではなく、必要なポイントはきっちり外さずしっかりと抑えており、気持ちの流れもかなりスムーズに繋がっていたように感じた。
藤田君からも、ダメ出し時「今日が今までのこうへいの中で一番よかった」と言われたので、この手応えがそれほどズレた感覚ではないことは確かだと思う。

このような結果だからといって決して油断することなく、更に上を目指し続け、今の自分にでき得るベストの状態で初日を迎えたい。

空間や美術、照明など身の周りの諸要素に対してはだいぶいい関係を築けるようになってきた。
それだけに、明日の初日までの残り時間の多くを、こうへいとの関係を深めてゆくための時間に費やしたいなと思う。


【初日に向けて】
◆宿題…身体の徹底的なケア
◆テーマ…信じる


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-05 01:12 | 稽古場日記
11/3(火)10:00~22:00(横山17:00入り) @STスポット

【外界への印象】
《天候》
●曇りのち晴れ
・寒くなったり暖かくなったりと寒暖の差が激し過ぎて身体的にはきつい
・空気そのものは冷たいので、日陰はかなり寒い
《空間》
●STスポット
・美術が加わったことで、客席の座る位置によって見え方がかなり違っている。特に前列と後列では舞台上から受ける印象が全く違う。
・音についても同様で、この空間は高低差による音の反響具合に差があるため、前列と後列で聞き取り易い声質と聞き取りにくい声質が違う。
・舞台面の床に敷いた布によって足元が滑り易くなっている。今回床に倒れ込む演技があるので、受け身の取り方などに注意が必要。

【身体状況】
・なんだか、気持ちも身体も全体的にぼんやりしている
・首周りの筋肉が固くなっていて、短く感じる
・喉の潤いが今一つ足りなく感じる
・顎や眉間にロックがかかっているようで、表情が固い

【今日のテーマ】
◆役のあらゆる前提を手放して、何もないところから目の前の状況と対峙してみる

【レポート】
今日でいよいよ小屋入り。

今回、スタッフさんが色々と配慮して下さったようで自分を含めて3名の入り時間を遅めて頂いた。
それについて個人的には思うところもあったし、早めに小屋へ入ることも考えたのだが、スタッフさん側で色々と考えた結果そのようなスケジュールを組むこととしたのだから、自分は素直にその配慮に甘えさせてもらうことにした。

まあ、正直言ってその判断が正しかったかどうかについては分からない。
分からないが、その選択肢を選んだ以上は中途半端なことはしたくはなかったので、その与えられた時間を利用して、自らの身体のケアなどを徹底して行った。
結果、自分自身で自覚している以上に自分の身体にダメージが蓄積されていたことに気付けた。
ここ最近の気持ちの高まりきらなさはこんなところからきていたのかもしれない。
この気付きを与えてくれたのは、スタッフさんの配慮のお陰である。
心よりの感謝と共に、これをなんとしても作品にプラスとなれるように繋げてゆかねばならないと思う。


さて、仕込み・シュートが終わった後は、19時から場当たりに入った。
先日の劇場稽古時と決定的に違うのは、作品に美術と照明が加わったこと。

やはり勝手が全く違う。

しかしだからこそ、先日の劇場稽古にてこの空間そのものの特徴を実際に自らの身体で経験できていたことが大きかったと自分は感じた。
美術や照明に対しては不馴れで向き合い方が手探りの状態であっても、あの空間に身を置くことについてはある程度余裕を持っていられたためである。

もちろんまだまだあの空間にも掘り下げてゆくべき余地は沢山残されているのだろうとは思う。
がしかし、初めての空間に馴染む努力をしながら美術や照明にも対応してゆかねばならないような状況に比べたら、今回の状況は遥かに取り組み易いはずである。

事実、今日の場当たりで照明に入るためのポイントへ移動する際にも、空間に対する把握力が高まっているためか変に目印を探すために目線が泳いだりもせず、実にスムーズに適切なポイントへと移動できるようになっていたように思う。
例えば「舞台中央の客席寄りで、○○が視界の脇からギリギリ消えない辺り」というように、バミらずとも景色や距離感で指定の位置に入れるような状態でいられるのである。
「空間を知る」ということの最大のメリットは、こういうところにあると自分は考えている。

また、空間に存在することに余裕があるせいか、芝居中にも舞台美術へと思いを馳せることもできるようになっていて、美術を単なる背景として終わらせるのではなく、自分の芝居の中へとうまく組み込むことができる発想が今、いくつか浮かんできていたりもする。

空間にせよ美術にせよ、自分がそこに役として存在している以上は同一の場に存在しているもの同士であって「登場人物と背景」というざっくりとした括りで分けられるものではない。
目の前にたしかに存在しているものなのだから、当然作品の一部として美術とは向き合ってゆかねばならないと思うのだ。

役者は役者、美術は美術、照明は照明、というように舞台上の諸要素を別々に組み立てて芝居を考えてしまうことは、砂糖とミルクとコーヒーを別々にして摂取させようとしてしまうようなものである。

今回も素敵な美術や照明をスタッフさんが用意してくれているのだから、役者である自分もその最高の生かし方を探ってゆかねばならない。

やるべきことは沢山あり、時間はいくらあっても足りない。
だからこそ、今自分のやれることを一つひとつ確実に行ってゆこうと思う。



【明日に向けて】
◆宿題…細かい部分の見直し
◆テーマ…信じる


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-04 00:57 | 稽古場日記
11/2(月)9:00~22:00 @青少年学習センター・和室

【外界への印象】
《天候》
●曇り時々雨
・風が雨の匂い
・空気は冷たいが、多少湿度があるせいか少し動くと暖かくなってくる
《空間》
●和室
・明かりの黄色さがやけに目立つ
・床の軋みが気になる

【身体状況】
・肩周りの張りが痛みに繋がってきた
・腰に強い張り
・今日もサイドに対しての視野が狭い
・呼吸が定まりきれていないためか、もうひとつ気持ちが高まりきらない

【今日のテーマ】
◆体内時計を早めてみる

【レポート】
なんとなく、こうへいの目指すべき方向性が見えてきた気がする。
しかし、現時点での役のあり方ではまだまだ不十分であることには変わりはなく、及第点ではあるけれどもそこ止まり、というのが自らの役に対して感じている正直な感想である。

たしかにこうへいという役の、「真っ直ぐ過ぎるが故の滑稽さ」という特徴については成立してきている。
が、それ以上でも以下でもないのだ。

今日の通し稽古後に藤田君から受けたダメ出しも、「こうへいの純粋さ、という視点から見れば今日のは悪くないし、その通りなんだけれども、できればそこにマニアックさが加わって欲しい」というものであった。
この意見については自分としてもものすごく納得である。

今のこうへいは、分かり易過ぎる。
だから、滑稽ではあるけれども人としての深み・面白みはないのだ。

たとえどんなに笑える存在であっても、その役に人間的魅力を感じないのであれば、そもそも人物を描くことに重きを置いているマームの作品の登場人物としては不十分である。

作品にとって不十分な存在であるままの役を舞台に乗せてしまうことなど絶対にあってはならないことであるし、そんなことになるつもりも自分にはない。

明日が小屋入りとはいえ、まだ本番までは2日間も残っている。
その限られた時間の中で、なんとしても突破口を見出し、こうへいから引き出し得る魅力は悉く引き出してゆけるようにしたいと思う。


さて、作品全体としても、4日前に通した時に2時間を軽く越えてしまっていたタイムを、この3日間を費やして行った大胆な再構築の甲斐もあり、今日は1時間40分以内に納めることができた。
また、だいぶ作品自体がスリム化されたため、お客さんからしてもずいぶん見え方が親切になったのではないかと思う。

そして、今日の通しを経て藤田君は更にもう一手、作品に手を加える決断もした。
おそらく、この変更も、作品をもう一段上のステップに上げてくれるものになるのではないかと思う。


ひたすら作品のクオリティの向上を目指し、幕が開けてから後も作品の破壊と再構築を繰り返してゆくのがマームのスタイルである。
その根底には、舞台作品において「完成」というものなどないのだ、という強い信念が窺える。

自分もそこには響き合うものを感じるし、だからこそ、どこまでも喰らい付いてゆくつもりだ。


明日からいよいよSTスポットへと場所を本格的に移し、本番へと備えることとなる。
これまでの稽古と仲間を信じつつ、最後の最後まで攻め続けてゆきたい。


【小屋入りに向けて】
◆宿題…こうへいととことん向き合ってみる
◆テーマ…役のあらゆる前提を手放して、何もないところから目の前の状況と対峙してみる


横山 真
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by yukinone_makoto | 2009-11-03 00:45 | 稽古場日記