演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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カテゴリ:出演レポ( 54 )

9/8(土)16:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 千秋楽@せんだい演劇工房10-BOX box-1

千秋楽。
休演日を含めて10日間しかなかったとはとても思えないくらいに長く感じた『方丈の海』もこれで最後となる。

しかし、だからといって気負うつもりもなかったし、変に感傷的になったりも一切することなくとにかく平常心であることを心掛けながら目の前の一つひとつの芝居へと取り組んでいった。

ただ、そうはいっても、ラストであることの影響というものは確実に存在していて、それは例えば小節の衣装や小道具などは動きの激しさに反して壊れ易いものなので、次があるために壊してはならない時ともう壊れてもなんとかなる時とでは、臨む際の心持ちに多少なりとも影響が出ても不思議ではないとは思う。
だから正確には、「いつも通り」ではないのだろうけれども、だからといって「最後だから」とこの千秋楽という日を特別視することは違うと思うので、違ってしまうことは受け容れつつ、しかし必要以上には意識せぬよう、余計なことはしないよう「今、ここ」へ徹することのみ考えて臨んだ。


その心持ちがよかったのか、実に適度な緊張感で以て舞台上に立つことができていたなと感じた。
あれほど「ちょうどいい」感覚で人前に立てていることも珍しかったなと、思う。

とりわけ劇的に何かがよかったとかそういう訳でもないけれども、しかしかなりの高い集中力では臨めていた。
たぶん、それって非常にいい状態であったという証拠でもあるのかなと思う。
何故なら、その場で起こったことにただただ素直に反応し続けてゆけた結果だとも言えるからだ。

ラストの小節の台詞が、これ以上なく「ちょうどよく」発することができたのも、そんないい流れを受けられたからなのだろうなと思う。


変に意識し過ぎないことが、結果としていい流れを生んでいた。
まあ、文字にしてみれば当たり前のことだと言われていまいそうな感じではあるが、しかし、これほど難しいことというのもなかなかないと思う。
それが今回のような非常に思い入れの強い作品、公演でやれたことは、非常に大きなことであった。

この経験は大切にしたいし、これからへと活かしてゆけるようにしてゆきたく思う。



『方丈の海』という作品、そして小節という役との出会いは、自分にとって本当に大切な出会いとなったと思います。
再演というか、他地域での上演の話もきているようですが、しかしこの作品はひとまずここで終わりを迎えることとなりました。
この出会いに、心からの感謝の意を述べたいなと、思います。

10日間9ステージ、本当にありがとうございました!


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-09 21:02 | 出演レポ
9/7(金)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 8日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

8ステージ目。

ここまで長くやってくると、作品が全体的にだいぶ安定してきてお客さんのツボのようなものもある程度予測することができるようになってくるのでかなり高い打率で好印象を与えられるようにもなってくる。
しかし同時に、そういう安定してきた状態というものが、突き抜けることを抑え込んでしまう働きもしてしまっていて、ある種の「無難さ」のようなものを孕んできているような気も、僅かながら感じてきていたりもする。

まあ、正直言ってどちらがいいとも言い切れるものではないとは思う。
お客さんに触れてもらうからには毎回上演する毎にそのクオリティにムラがあることは決して許されることでないと思うし、何か上乗せするにしてもやはりある一定の水準は越えた上でその加える作業を行わねばならない。

しかしだからといって、そのクオリティの維持を目的としてしまうことは違うと思う。
おそらくは、そうしてしまえばすぐさまその作品は腐ってしまうだろうし、クオリティも劣化の一途を辿るのみだ。

とはいえ今の状態はまだそんなに安定志向で板の上に立っている状態では決してないので、そうやって腐ってゆくような状況はまず訪れはしないとは思うのだが、ただ、そうはいってももう少し作品全体を揺さぶってゆこうとするような強い意思を、役者一人ひとりが抱いていてもいいのではないかなとは思う。

何故なら、この作品にはまだまだ伸びしろが非常に多く残されているからだ。
それもそこそこの評価で満足してしまってはあまりにもったいなさ過ぎるくらいに、だ。

毎回、この作品の可能性を最大限引き出すつもりで取り組んでゆかねばならないと思う。
特に今回のような作品では、それが関わる者としての礼儀であるとも思っている。


この公演も、残すところあと1ステージ。

しかし、最後だから、とか、そういうせせこましい考え方は一切せずに、今到達し得る最高地点を目指し、力を尽くしてゆこう。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-08 11:02 | 出演レポ
9/6(木)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 7日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

7ステージ目。

ここまでくると、出演者達も心身共に疲労が蓄積されてくる。
が、それはもう仕方のないことというか、避けられようのない事実ではあるので、重要になってくるのは、その疲労と如何にして向き合ってゆくのか、という点になる。
下手に誤魔化すのでもなく、見て見ぬふりをするのでもなく、その疲労が蓄積された身体で以てどう次のステージに臨むのかをその都度その都度考えてゆくことが大切なのだ。

そしてそのためには、自分達の現状を可能な限り的確に捉え、知ることから始めねばならない。
今の自分達の芝居がその疲労によってどのように変化をしているのか、その変化は修正可能なのか、そもそも修正すべきことなのか、それともその変化から新たな切り口を見出すことの方がこれからの作品にとって有効なのか、、、などなど。
それを把握した上で、ではその現状に見合った手を如何にして打ってゆくのか、考えてゆく必要がある。


さてではその現状はどうなのであろうか。

個人的に感じるのは、全体的によくも悪くも丁寧になってきていて、その反動で公演前半にあった疾走感のようなものが多少損なわれてしまっているなということ。
それはお客さんにとっては落ち着いて観られる、ということにも繋がるため一概には悪いことだとは言えないことなのだろうけれども、しかしそういった丁寧さと疾走感の両立は決して不可能なことではないとも思うため、このままどちらか一方に偏ってしまうようなことがあれば、作品そのものの魅力が半減してしまうことにも繋がりかねないと思う。

もしかすると、回を重ねてゆく中で、知らず知らずのうちに自らの発するべき一つひとつの言葉に対する思い入れが強まってしまって台詞離れが悪くなっていってしまっているのかもしれない。
その、一つひとつの言葉に強い思い入れを持つ、ということはとても素敵なことだと思うし、俳優としては自らの台詞をそう思えるということは非常に重要なことではあると思うので、その思い入れそのものを薄めてしまう必要はないと思う。
そんな引き算の発想で取り組むよりも、その強まったエネルギーを超えるような強い意志で以てその言葉達を手放せるようになることの方が遥かに建設的だ。
どうせ手を打つのならば現状をうまく利用して、足し算の発想で取り組んでいった方がよっぽど作品を高みにもっていけるはずだから。

早速次の回から、そのことを強く意識して臨んでゆこうと思う。


残りは2ステージ。
しかしそれはそれだ。
とにかく目の前のやるべきことを一つひとつしっかりと果たしてゆくことに専心してゆこうかと。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-07 13:40 | 出演レポ
9/5(水)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 6日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

6ステージ目。
今回は休演日を挟んでしまったためか妙に身体が重く、また、特に序盤はどうにも腰が定まらずふわふわしているような不思議な感覚であった。

ただ、それが作品の上でいい方向に作用していたのか悪い方向に作用していたのかはよく分からなくて、たしかに身体の底から湧き上がってくるような重厚感のあるエネルギーを発せていた訳ではなかったのだが、今回のようなあの力の抜けた状態で発せられる伸びのあるエネルギーは、それはそれで作品にいい影響を及ぼしていたのではないかと思っている。
また、中盤以降の、シーンでいうなら小節の長台詞の辺りからはまた厚みのあるエネルギーに戻っていったので、それがシーンの推移によって生じている小節の身体の変化に沿っていてもいて、結果的になのだが作品を通しで考えてみた際には今回のようなエネルギーの質の変化は小節という役の心境の変化のメリハリにも繋がっていて、それが観ている側にとっては役の厚みを感じるきっかけになっていたのではないかと思う。


こういう意図しないところでどんどんと作品が変容してゆくのを感じる度に、演劇というものの奥深さを思い知らされる。

あれやこれやと思い悩んだり足掻いたりしてやっと前進できたと思ったり喜んだりしているこちらの葛藤をよそに、自分達では思いもしないようなところから、思いもしないようなことが作用して作品の質が向上したり劣化したりする。
そしてその度に自分達の浅はかさを思い知らされたりする訳なのだが、しかしだからこそ、この演劇というものを辞められないのだろうなと思っている。

ただ、思うのは、いくら自分達の思うようにことが進んでいかなかろうと、いくらコントロールできるような代物ではなかろうと、それだからといってベストを尽くすことをやめてはいけないということ。
むしろ思うようにいかないからこそ、自分達にやれることはやり尽くしておかねばならないのだと思う。
でないとどんなにいい作用が作品に起こったとしても、そのいい作用を有効に生かすことができないからだ。

やはり「人事を尽くして、天命を待つ」という姿勢は非常に大切なことなのだろうなと、思う。


これで残りステージは3。

いよいよ先が見えてきた訳だが、しかしそれはそれ。
ただただひたすらに、今に飛び込んで、「いま、ここ」の繰り返しを心掛けてゆくようにしたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-06 14:59 | 出演レポ
9/3(月)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 5日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

5ステージ目。
そしてちょうど折り返し。

今回は、作品全体で見ればかなり疾走感もあって、悪くはない出来であったと思う。
が、横山個人の話で言えば、これまでの5ステージの中で最も浮き足立っていた回であったと思う。

稽古の時を含めても本番2日前の1度しか、つまりは本番入ってからは一度もミスをすることのなかった小節の長台詞の途中で完全に台詞が飛んでしまった瞬間(但し飛んだのはコンマ何秒~1秒ちょい程度の瞬間で、すぐさまリカバーし立て直したので台詞を完全に入れている人くらいにしか気付かれないレベルの躓きではあったのだが)が、その浮き足立った自分を最も象徴するシーンであった。

ただ、自分の俳優としての傾向として一旦ミスをするとそれ以降の集中力が劇的に向上する変な特徴があって、この回でもその例に漏れず、その長台詞以降のシーンは逆にかなり落ち着いた芝居が行えていたと思う。

しかし、ミスはミスだ。
どんなに立て直しがうまかろうがそれ以降の芝居が逆によくなろうが、そのミスをしたという事実は変えられない訳で、そこのところの認識は、厳しくあるべきだと思う。

逆境に対応する力もたしかに大切なことではあるが、繊細に、丁寧に、一つひとつの積み重ねを大事にして積み上げてゆかねば至れない高みというものもあるはず。
そしてそれらはどっちがいいとか、そういった質のものなのでは決してなくて、そのどちらにも偏ってはいけないものなのだと思う。


次からは一日休演日を挟んでの後半戦。
この一日の休みを、どう次のステージへと繋げてゆけるのか。
そこら辺をしっかりと考えてみて、この一日の休みがあったからこそ至れた、というような作品へ更新できるような準備を行って過ごせるようにしたい。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-05 14:41 | 出演レポ
9/2(日)16:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 4日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

4ステージ目。
初の雨天に見舞われた。

今回の公演で、自分は初めて野外を含んだ空間で芝居をしている訳だが、今日のこの雨によって、その醍醐味というか魅力をつくづく実感させられたなと思っている。
自然というものは人間の手によって御せるものではなく、予測だって難しい訳で、だからこそ、その御することのできない自然とどう付き合ってゆくべきなのか、それをその瞬間瞬間で判断し、実行してゆかねばならない。
しかしその判断も、有無を言わさず理不尽に裏切られることが日常茶飯事でもあったりして、少しでも過去に心がとらわれてしまったならば、自然の気まぐれに振り回されてしまう結果に終わってしまったりする。

今日もそうであった。
途中、雨が酷くなってきたので、あるシーンでこの酷くなってきた雨を利用してやろうと色気を出した瞬間に、雨が小康状態に落ち着いてきてしまったため、その思惑は惜しくも空振りに終わってしまったのだ。

やはり自然とは、その瞬間瞬間の状況に応えることで向き合うことが大事なのかもなと思う。
変に先読みしたいやらしい考えを持ち込んだところでその通りに天候などが推移してくれるとも限らない訳で、そんな考えで臨んでしまっては本当の意味での「いま、ここ」に殉じることなどできる訳がないのだ。


というか、それはむしろ自然に対してだけのことだろうか、とも思った。
もしかすると、それはこの世の中の何事に対しても当てはまることなのではないか、と。

演劇だってそうだし、他者だってそうなんじゃないのか。
というか、自分のことだって100%コントロールできている訳ではないのだし、知っていることだって僅かであったりするはずだ。

コントロールすることができると思い込んでしまった時が、いやむしろ、コントロールしようとしてしまった瞬間から、停滞というものは始まってしまうのかもしれない。
だからこそ、ひたすらに“今”の繰り返しで臨んでゆくことが、大切なことなのかもしれない。


まさかこんな形で、学びを得られるとは思ってもみなかった。
自然も演劇も、とても面白いものだなと、つくづく思い知らされた。

それだけに、今後もどんどん挑んでどんどん掘り下げてゆけたらなと、思っている。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-03 01:08 | 出演レポ
9/1(土)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 3日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

3ステージ目。
昨日よりも更に落ち着いた感が出てきていて、非常にいい具合にどっしりとした厚みのある芝居が繰り広げられるようになってきた実感がある。

ただ、これ以上落ち着いてしまうと、逆に今の形に居付いてしまって大きなミスは避けられるかもしれないけれども、それによって躍動感を犠牲にしてしまうような状態に陥ってしまうような気がしている。
やはりある程度の不安定さは必要で、舞台上の人間が、常に揺さぶりをかけられているような状態ではあるべきなのだと思う。
そして今回の状態は、落ち着きと不安定さがぎりぎり絶妙なバランスの上で成り立っていたとてもいい状態であったように感じられた。

この状態を維持できればベストなのだろうけれども、まあ、そんなことはまず不可能なことで、たぶん維持しようとすればするほど様々な部分で停滞が生まれてしまい、あちこち凝り固まった小さい作品になっていってしまうだろうと思う。

だから今のこの状態を保とうとする必要は全くなくて、むしろ自分達へ揺さぶりをかけられるような仕掛けをどんどん用意してゆけばいいのだと思っている。
落ち着いてきて周りが見えるようになってきたからこそできることは沢山あるはずなのだ。
つまり「落ち着けてきてよかった」ではなく、「落ち着くことでできることが増えたぞ」と発想してゆけばいいのだ。

そうやって、これまでとの比較で考えるのではなく、今を出発点にしてそこからどのようにすれば前へ進めるのかを考えることの方が、気持ちの面でも攻めの体勢でいられるのでとても有効だと思う。

もちろん、これまでの積み重ねを否定している訳ではない。
これまでの積み重ねは、もう身体に十分染み付いているはずなのだから、今また殊更に考えようとしなくてもちゃんと自分達の芝居へは反映されるはずで、そこは信じていいんじゃないかと、そんな風に思う訳だ。


演劇作品に完成は決してない、しかし、だからこそ、完成を目指し続けてゆくもの。

これが、自分にとっての演劇へと取り組む際の信念だ。
それに今回も従って、日々作品を更新し続けてゆくことに努めてゆこうと思っている。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-02 11:24 | 出演レポ
8/31(金)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 2日目@せんだい演劇工房10-BOX box-1

2ステージ目。

初日であった昨日からだいぶ落ち着きを取り戻した印象。
しかし決してエネルギーが落ちた訳ではない。

それはもしかするとお客さんの集中力がかなり高かったように感じられたことにも助けられたのかなと思うのだが、全体的に地に足の着いた芝居が行えていたと、そう思える2時間であった。
特に終盤のあの場の高まり方は、なんというか、色んな想いの入り混じった訳のわからない非常にカオスなエネルギーに満ち溢れていて、空間そのものがとぐろを巻いてあそこへ身を置いている人達をどこか違ったところへと誘っていってしまうのではないかとさえ感じさせられたほどであった。
やはり演劇は、お客さんが訪れて初めて成立するものなのだなということをつくづく実感した回だった。

実をいうと、この回が始まる直前まで物凄く具合が悪かった。
全体的に身体が熱っぽく、頭痛とだるさで最後まで身体がもつかどうか心配でもあった。
初日が無事空けたことで多少気が緩んでしまったのかはわからないが、それにしたってこんな状態で本番を迎えなくてはならない状況を招いてしまったことは猛省し、再び繰り返さないよう今後は体調管理を徹底してゆかねばならないのだが、そんな状態であった自分が最後まで駆け抜け切れたのも、上記のようなあの空間のえも言われぬエネルギーに後押しされたからなのだろうなと思っている。

というか、逆にその体調の悪さがいい方向に作用した部分もあったようで、前回見られた余計な力みが今回はほとんどなくて、とにかく目の前の状況に対しリアクションを取り続けることへ没頭することができていたため、むしろ普段よりもかなりいい芝居ができていたのではないかと思う。
昨日はもうひとつだと感じていた小節の長台詞も、今回は自分の中から次から次へと衝動が湧き上がってくるような感覚を覚え、自分としては素直にそれに従ってゆくだけ、という状態で行えたし(但し台詞のラストの方で僅かに自らの衝動をコントロールしようという意識が芽生えてしまい、“今”に対する集中の純度が落ちてしまったことは次への課題となるが)、ラストのカイコーへの台詞も、これまでで一番しっくりとくる感じで、想いの熱量と冷静さとのバランスがいい具合にせめぎ合っているとてもいい発露のされ方をしていたなと感じた。

まあ、体調はいいに越したことはないものの、その時々の体調もちゃんと考慮に入れ、そこにとらわれるのではなくそれをありのままに引き受け、利用できるようになったことは俳優として非常に成長した証だなと、そこは素直に認めていいのかもしれないなと思った。
とはいえそれが不調であることを正当化する理由には決してならないのだが、、、

まだ2日目が終わったばかりで、先は長い。
だからこそしっかりと身体の調子を整えて、最後まで全力で駆け抜けきれるよう努力してゆけるようにしたいと思う。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-09-01 12:50 | 出演レポ
8/30(木)19:00~
TheatreGroup“OCT/PASS” Vol.34 『方丈の海』 初日@せんだい演劇工房10-BOX box-1

今年2月末に行った初見から実に半年近くの時間を費やして創られた『方丈の海』が、いよいよ初日を迎えた。
自分にとって、これだけ長い期間をかけての創作というのは初めてのことであったので、この初日を迎える感覚も、いつもとは全く違っていたように感じる。
まあ、それはこの作品が扱っているもの、そしてそこに対する自らの想い、などといったものも大いに影響しているのだとは思うのだが、いずれにせよ、今回ほど人前に立つことが怖いと感じた公演はなかった気がする。

しかし今回の作品の扱っているものを鑑みてみれば、この恐怖心はあって当然というか、そこの部分は決して麻痺させてしまってはならないことだと思う。
そういった恐怖心と真っ直ぐ向き合い闘ってゆく中からしか、この作品の描き出さんとしているものは立ち現れてこないと思うからだ。

しんどい作業だとは思うけれども、それが、自分達の選んだことなのだから、それを全うすることは当然のことだ。
楽をすることなんかとっくの昔に棄てている。


そんな想いを抱えながら迎えた『方丈の海』。
その初日は、いかにも初日らしい出来であったように感じた。
全体的に、一つひとつを丁寧に行ってゆこうという意志が良くも悪くもあり、それが有効に作用しているところと逆にもたれてしまっているところとで、明確に分かれてしまっていた。

ただ、冒頭のコロスのシーンは非常に躍動感もあって一気にあのbox-1が劇空間へと変容していったのがわかったし、終盤の緊張感もとても絶妙なバランスの元で成立していたように思う。

だから全体としては決して悪くはなかったかなと思うのだが、しかし、一つひとつの芝居の精度については、かなり甘かったのではないかというのが率直なところ。
自分も細かなところで台詞のミスがあったし、長台詞のところはもっとやれたと思っている。

それだけに、その細かなミスや感覚のズレのようなものは放置しておかず、きっちり修正をかけて次へと繋げてゆけるようにしなければなと思う。
そして、作品そのもののクオリティも、日々更新してゆけるよう、自らのでき得る限りの準備を徹底するよう心掛けて毎ステージ臨んでゆきたい。


まだまだ始まったばかりだ。

最後まで全力で駆け抜けてゆけるよう、最大限の努力をしてゆこうと思う。


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-08-31 12:48 | 出演レポ
随分と遅くなってしまいましたが、「箱」プロジェクト 連続公演第一弾 『少女Aの帰還』は好評のうちに無事全日程を終了することができました。

ご来場下さりました皆様方及び公演関係者の方々へは心より御礼申し上げます。



今回の公演、作品としての出来に関しては非常に手応えを感じており、実際、ご来場下さったお客さん達の反応を見る限りでは確実に観た人達の記憶に刻まれた作品ではあったのではないかなと、そう思っている。

が、自分個人のことを省みてみると、とてもじゃないが「よかった」とは言い切れない公演であったと感じている。

や、とはいえ悪くはなかったのかもしれない。
が、それはあくまでも戯曲や共演者に恵まれ救われた結果で、こちらから何かプラスの要素を提供できたのか、と言われれば、ぎりぎり及第点、といった程度の出来であったのではないかなと。


思うに、やりくりのうまさだけで誤魔化すからこうなるのだ。
自分のやり易いところでやっているから、突き抜けられないのだ。

やはりちゃんと、これまで苦手意識を抱いていたために目を背けていたようなものとも向き合ってゆかねば駄目だ。
特に「ダンス」と「笑い」については、俳優を今後も続けてゆきたいのならば決して目を逸らしてはならないと思う。

ここ数年、この2つに関してあまりに自分はサボり過ぎていた。

但し、別にこの2つがうまくなることだけが解決策ではないと思うし、ダンスはともかく笑いに関しては心得が皆無、という訳ではないことは自惚れではなく事実として認識はしている。
では今の自分は何が問題なのかといえば、この2つに対して自分は「美学がない」という点が大きな問題なのだと思っている。
美学がないから、創作の場で要求されていることに対しその場凌ぎの小細工しか打てないのだ。

事実、今回のあのダンスのシーンでも、結局は自分の技量と稽古期間を考慮に入るとあれしか選択肢がなかったためにああいった形にしたのだが、たぶん観客によっては本気でやってあの下手さなんじゃないかと思ってしまった人もいたのではないかと思う。
それは、下手にやるにしてもやりようがあるはずなのに、その突き詰め方が甘かったことが原因であり、そしてそれが「美学がない」ということだ。

しかし、ダンスが下手でも魅力的な俳優は多いし、仮に下手でもダンスのシーンを面白いシーンに仕上げられる俳優だって沢山いる。
それはたぶん、自らが「どう下手なのか」をしっかりと認識できているからなんだと思う。
そしてそれはつまり、自らの下手さと誠実に向き合えていて、更にその下手さを「誇り」にすらしている部分があるからできることなのだとも思う。

とはいえ自らの下手さを誇りにするということは、簡単なようでいてなかなかに難しいことでもある。
諦めや妥協とは確実に違う性質の発想だと思うし、だから突き詰めて取り組み考えてゆかねばとてもじゃないが誇りになんかできないと思う。

自分はそれが不徹底だし、しかもまだ「よく見られたい」という欲も捨てきれずにいる。

思うに、「よく見られたい」のならばそれ相応の努力をすべきだし、もし下手さを個性として磨きたいのならば、それはそれで己の下手さについてをとことん研究し、モノにしなければならないはず。
つまりはいずれにせよ、目を背けていては駄目だ、ということだ。

来年の5月に出演予定のOCT/PASSの公演へ向けての準備のため、これから自主稽古を行おうと考えているのだが、そこのところをちゃんと理解した上で臨んでゆかねば、どんなに稽古したって意味がないし、それでは何の解決にならない。

これもこれまでの自分の怠慢のツケであるのだから、それを克服するためには死ぬ気でかからねばなと思う。


ただ、そうは言ってもよかったことも沢山あって、何よりも大きな収穫だったのは舞台上での呼吸の切り替え方を思い出せたこと。
これはドラマリーディングへの出演だったことも影響していると思うが、呼吸から集中を高めてゆくあの感覚を掴めたことは、今後の自分にとって非常に心強い武器となってゆくだろうなと思う。

また、舞台上で観客と共にその空間を創り出してゆく、という感覚を経験することができたことも大きかった。
特に千穐楽のあのいい感触は、必ずやこれからの財産になってゆくはずだと確信している。


まあ、そんなこんなで今回の公演は、俳優としての自分のいい面も悪い面も沢山露わにさせられた公演であり、それはとても価値のある公演であったのだと思う。
今の自分の立ち位置がちゃんと見えてきたというか。

それだけに、この経験はこれからの自分に繋げてゆかねば意味はないし、共に創作の時間を過ごした仲間達にも失礼なことだ。
しっかりと自らの血肉として、誠実に向き合ってゆきたいなと思う。


最後に、作・演出であった江野澤くんにとっても、今回の公演は観客動員数こそ少なかったものの、彼のこれからの演劇活動に繋がるものを沢山得られた公演であったのではないかと確信している。

何故ならそれだけの作品を創り出せたからだ。

是非、今回の公演で得られたものを最大限活かし、来年以降の飛躍のきっかけとしてくれることを願っている。
また、これからも自分のことはどんな形で利用してもらって全然構わないとも思っているので、遠慮なく声をかけてもらえたらなと思う。


そんなこんなで、本当にありがとうございました。
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by yukinone_makoto | 2011-12-31 15:27 | 出演レポ