演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

7/6(金) 『方丈の海』稽古30日目

7/6(金)20:00~22:30 @卸町イベント倉庫

【外界への印象】
《天候》
●曇りときどき雨
・昼過ぎの雨から、それまでの暑さが嘘のように涼しくなった
《空間》
・湿気はたしかに感じるが、さほど暑くはないため不快ではない

【稽古前の身体状況】
・猛烈に身体全体が重い
・首の右側の筋が若干言うことを聞いてくれず、右を向きにくい
・股関節周りが硬く、腰も痛くて骨盤がすぐ寝てしまう
・息が落ちきらない感じがしていて、声も浮いているように感じる
・肩甲骨周りの筋肉が固まっちゃってて可動域が狭まってる気がする

【今日のテーマ】
◆目に映ったもの耳に入ったものを流さずいちいち拾ってみる

【ふりかえり】
今日の稽古は、後半部分の前半(という表現も変だが)のシーンを何度も返しつつ細かい部分をつめてゆく形で行った。

小節の長台詞のシーンも数回行ったのだが、この稽古によって、かなり小節という存在の可能性は拡がった。
というのも、この長台詞のシーンでの小節は、これまでの小節とは全く違った顔を見せることとなったためだ。

こういうこれまでの自分の積み上げてきた役のフォルムから考えてみたら意外にしか思えないような一面を見せるシーンがひとつ加わることは、成立させるには非常に困難が伴うものの、そこさえ達成できれば一気に自らの役へ深みを持たせることのできるチャンスでもある。

そもそも、人間には色々な顔を持ち合わせているはずなのだが、しかし台本に書かれた役の発言や行動だけを頼りに役の人間性を探ってゆくと、どうしてもそういった多面性については見えにくくなってしまうというか、思考の死角へと追いやられ、忘れてしまいがちだ。
そのため、役の多面性を掘り出すためのアプローチの方法をいくつか持っているというのは、いい俳優であることの条件のひとつであると言っていい。

今回のこの「人といる時と一人でいる時とで役が見せる顔が大きく違う(但しそこには同一人物であるという確かな説得力も必須)」というのも、そんな役に深みを持たせるためのアプローチのひとつで、過去に自分も試してみたことがある。

別にこれは「人といる時と一人でいる時」という分け方でなくてもよくて、例えば「誰といるか」とか「何をしているか」とか、或いは「その時の機嫌」などが豹変するスイッチであってもいいとは思う。
とにかく、「普段とは違ったある状況下で、普段とは極端に違う顔を見せる」というひとつのフレームを作ってみて、その普段の役のあり方と豹変してしまった役のあり方を繋げてみる、という作業を行ってみるのだ。
そうしてゆく中で、その2点を両立させられるよう調節してゆくことで(但しあくまでもベースは普段の役の方)、普段の役のあり方の方にも変化が生まれ、ひいては重層的な厚みが生まれてくる、という訳だ。
なので豹変する、といってもその変化の仕方にはある程度の必然性は求められるとは思う、が、あまり現実的で中途半端な変わり具合でも効果は薄いため、そこのバランスは非常に難しいところではあるのだが、、、


但し今回の場合は、そういう演出がつけられた、ということで横山自身が役の掘り下げのために用いたアプローチではなかったのだが、しかし結果的にはこの演出がつけられたことによって役の厚みが生まれたことは事実であった。
まあ、実際に、今日の稽古の終盤に、後半部分への繋ぎも兼ねて前半ラストのシーンも稽古したのだが、そこのシーンでの小節のあり方は前回同じシーンを行っていた時とは明らかに違っていた。
そしてその小節のあり方は、今の方が圧倒的にしっくりくるものであった。

まあ、という訳で、今後自分でもこの演出を小節へのアプローチのために最大限利用してゆこうと考えている。

ますます小節がこれからどのような存在になってゆくのか、わからなくなってきている。
こんな境地で創作に臨めているのは本当に役者冥利に尽きることだし、幸せなことだと思う。
それだけに、僅かな変化の兆候も逃さずに、日々役を更新させてゆきたいなと、そう思っている。

【備忘録】
・小節の長台詞で、石川さんからの要望である「狂気」を内包させるためのアプローチとして、長台詞中に「笑い」を混ぜることを自らに禁じようと思う。笑って狂気を表現しようとするのは安易だし、何より小節という役の呼吸にはそぐわない感情の表出の仕方だからだ。実際問題として2回目の返しの際に笑いを混ぜてみたところ、一気に小節の粘着質な執着のようなものが身体の中から抜けていってしまったのを感じ、それ以降の台詞がただそれっぽいだけの雰囲気台詞へと変質してしまったのだ。そのため台詞途中から一度仕切り直さねばならなくなってしまい、最後の方が高まり切れずに結局尻すぼみ状態で次のシーンへと入ることとなってしまった。従って、笑ってお茶を濁すことは以後禁止とする。但しもし高まり過ぎて訳がわからなくなった状態で笑いたくなったりしたのだとしたら、その衝動には従っていいとは思う。

・身体の強度がまだまだ足りてない。だいぶ重心は落ちてきているし、肚で立ててきている実感は持ててきているんだけれども、しかしその質感は硬く、軽い。柔らかな強さを持った立ち方、或いは歩き方、というものを備えた身体にどのようにしたら到達できるか、探ってゆく。

次回の稽古は7/8(日)になります。

【次回(7/8)稽古に向けて】
◆宿題…崩した体調のケア
◆テーマ…執着


横山 真
[PR]
by yukinone_makoto | 2012-07-07 16:22 | 稽古場日記