演劇家・横山真が己の表現の追求・具現化のために発足したプロデュースユニット。生(LIVE)の表現にこだわり、演者から発せられる音・熱・呼吸・視覚的印象などを五感+αで感じられる作品創造を目指す。


by yukinone_makoto
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2/26(日) 『方丈の海』初見

2/26(日)17:00~20:00 @青葉区中央市民センター・会議室4

【外界への印象】
《天候》
●晴れ
・柔らかくも張りのある空気感
《空間》
●会議室4
・視覚的印象:明るすぎず、暗すぎず
・音:出した声が吸い込まれていくような、不思議な感じ
・その他:暑いくらい、暖房が強力だった

【稽古前の身体状況】
・肚が浮き気味
・呼吸が浅い
・首、腰周りにロックがかかっている
・右足首が何故か軽く痛む
・眉間が固い

【今日のテーマ】
◆飛び込む、ひたすらに

【ふりかえり】
とうとう、本当にとうとう、地元である仙台にて行われる演劇公演に出演することになった。
自らが高校生の時に関東の方へ出てゆくことを決めて以来の念願が、12年という年月を経て、実現の運びとなった訳だ。

しかも今回の作品は自分が高校生の時にお世話になった石川祐人さんの作・演出によるもので、更に、昨年起こった東日本大震災についてを真っ向から向き合って描いた作品でもある。
横山にとって20代最後の出演作となる今作でこのような巡り合わせとなったことに自分はやはり強く感じるものがあるし、だからこそ、並大抵の覚悟では臨めないなとも、思っている。


さて、今回の公演についての個人的な想いを綴るのはここら辺に止めておいて、早速、『方丈の海』初見についてに入ろうかと。

とにかく今回、作品の扱っている題材が題材なだけに、また、元々の石川さんの戯曲に対して感じていた印象でもあることなのだけれども、一つひとつの言葉が強いなと、この稽古に入る前のデータで送られてきた台本を読んだ段階から感じていた。
まあ、この日の読みの前に石川さんが仰っていたように「今回、あて書きで書いてはいない」という点もその言葉の強さを高めているひとつの要因なのかもしれないなとも思うが。

では、言葉が強いとどうなのか?というと、半端な気持ち・身体で向き合えばあっさり役に呑み込まれてしまう、という結末が予測されるだろう。
安易に役を自らの方へ引き寄せ自分のやり易いようにやろうとしたり、逆に、役に迎合し自分を持たないままに言葉を発しようとしたり、そんなことをしてしまっては、おそらく観ている側にとって何も残らない、単なる石川さんの綴った言葉の読み上げ係に終始してしまう危険が潜んでいるのだと思うのだ。

石川さんの言葉や世界観は一見ポップな印象もあるし、事実そうであることを意識されて描かれているのだろうけれども、それは結果的にそういう形になっているのであって、創り手は、初めからそこに照準を合わせにいってしまわない方がいいと思う。
ちゃんと一人の役者として自立した状態で、役と向き合うこと。
そのスタンスを常に意識し、強い身体と心でもって創作へと取り組んでゆくことこそが、今回の創作にあたってのベースとすべきポイントなのかもしれない。


そんなこんなで読みに入っていった訳だが、先にも書いたように、今回は役者一人ひとりに役を当て込んで戯曲を書いてはいないため、この初読みはオーディションを兼ねた機会となった。
ただしそこまで時間があった訳ではなかったためこの読みも少々変則的な形式となっていて、男女に分かれ、男性の役は男性同士で、女性の役は女性同士で、それぞれ台詞をひとつ読む毎に次の人へ回してゆく、という形式を採ったのだった。

まあ、形式が形式であったためになかなか集中した状態で読むことはできなかった訳だが、しかし、そんな中でも色々と試すことはできて、その試した中でも一番確認できてよかったのは、共演者の方々の呼吸やそのリズムであった。
あの読みの際、自分は自らの台詞を次の人に渡してからもその役の呼吸を意識しつつ、他の人がその役の台詞を発する際の呼吸に自らの呼吸も同調させてみることで、己の中にはないようなその役の呼吸を、そして、その人そのものの呼吸を自らの身体で以て体験し、知ることができたのだ。
これは本当に有意義な時間となれた。
特に、直前に同じ役の台詞を自分も発しているため、尚更に己の呼吸や己の役との向き合い方がはっきりと浮かび上がってきて、自らを省みることにも繋がったのだ。

己と、今回の共演者の方々と、その両者の今の立ち位置を確認することがこの初見の日のうちにできて本当によかったなと、思っている。


ただ、個人的にこの読みの出来については、全然役に対する飛び込み方が甘かったと思うし、与えられたルールに気をとられ過ぎて相手役との会話という点については反省ばかりが残る内容であった。
まあ、とはいえそれも前向きに捉えるならば、稽古初日までに修正しておきたい課題が沢山見えてきた、とも言える訳なので、さほど悲観はしていないが。



この日は初見後に飲みへと向かったのだが、その飲みの場で石川さんから「横山の芝居が(いい意味で)高校生当時から変わっていなくてびっくりした」「あの素直さをよくぞ保ったままで戻ってきた」と言ってもらえたことは本当に嬉しかった(このことについては石川さんの自身のブログでも触れておりました)。

が、それだけにこれからの自らの振る舞いは大変重要になってくるのだと思う。

心の根っこの部分が変わらずにいられた、という自分自身で何よりも大切にしてきたものを石川さんの反応を通じ確認することができた訳だが、しかし確実にそうではない、変わってしまった部分というのも今後色々と表へ現れてくるのだと思うし、だから、そうなった時にその部分と如何にして向き合ってゆけるのか、その変わってしまった部分を如何にして今回の座組のみんなにとっても有意義な創作となれる状況へと繋げてゆくことができるのか、、、
関東に出てきて以降のこの12年間で培ってきたものをどう今回の創作へと還元してゆくかは、今の自分にとって非常に重要なテーマになってくると思うし、それが今の自分に与えられた役割のひとつなのだろうなと思っている。


自分としては、その役割を果たすための考えはもう既に持っている。
しかも、かなり具体的な案として。

「お客さんとしては関わりたくない」

その想いから決断した『方丈の海』出演から始まる来年のOCT/PASS入団。
その決断に見合った行動を、これからしっかりとり続けてゆきたい。


次回の稽古は3/1(木)になります。

【次回(3/1)稽古に向けて】
◆宿題…初見で浮かび上がった課題のふりかえりと対策
◆テーマ…見る、聞く


横山 真
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by yukinone_makoto | 2012-02-28 07:13 | 稽古場日記